枕草子 第310段 類聚的章段
言ひにくきもの
言いにくいものとして、人の伝言や仰せ言が多いのを順序どおりに始めから終わりまで言うこと、その返事、立派な人から物をもらった時の返事、大人になった子の思いがけないことを聞いた時に本人の前で言うことを挙げる。
場面イラスト(準備中)
- 1いひいひいいにくきにくきにくきものものもの題
- 2人人ひとののの消消しょうそこそこそこ仰事仰事おおせごとなどなどなどののの多多おおかるかるかるををを、、、序序ついでのののまゝまゝままににに始始はじめよりよりより奥奥おくまでまでまでいといといといひいひいいにくしにくしにくし。。。返返かえりりり事事ごと又又また申申もうしししにくしにくしにくし。。。耻耻はずかしきかしきかしき人人ひとののの物物ものおこせおこせおこせたるたるたるかへりごとかへりごとかえりごと。。。おとなおとなおとなににになりなりなりたるたるたる子子こののの思思おもははわずずずなるなるなることことこと聞聞ききききつけつけつけたるたるたる、、、前前まえにてにてにてはははいといといと言言いひひいにくしにくしにくし。。。
現代語訳
言いにくいもの。
人からの手紙や仰せ言などが多いのを、順序のとおりに始めから終わりまで言うのは、たいそう言いにくい。その返事もまた申し上げにくい。気後れするような立派な人が物を贈ってきたときの返事。大人になった子が、思いがけないことをしたと聞いたとき、その子の前では、たいそう言いにくい。
意訳
言葉にしにくい場面を集めている。長い伝言を順序立てて伝えること、立派な人への返礼、成人した子どもへの小言。取り次ぎ役の多い女房ならではの実感がこもっている。
語釈・文法注
文法
- 「消そこ」
- 消息。手紙、伝言。
解説
宮仕えの女房の日常の苦労がうかがえる段である。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、362–363頁(コマ193)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日