枕草子 第307段 類聚的章段
心づきなきもの(二)
気に入らないものとして、外出の日の雨、召使いの陰口、当て推量で恨み言を言う人、性格の悪い人が育てた子、憎い人にまつわりついて世話を焼く思い人などを挙げる。前の「心づきなきもの」の段と重なる部分を含む。
場面イラスト(準備中)
- 1こゝろづきこゝろづきこころずきなきなきなきものものもの題
- 2物物ものへへへゆきゆきゆき寺寺てらへへへももも詣詣もうづるづるずる日日ひののの雨雨あめ。。。使使つかふふう人人ひとののの「「「我我われをををばばばおぼさおぼさおぼさずずず、、、なにがしなにがしなにがしこそこそこそ唯今唯今ただいまののの人人ひと」」」などなどなど言言いふふうをををほのほのほのぎゝぎゝぎきたるたるたる。。。人人ひとよりよりよりははは猶猶なお少少すこしししにくしにくしにくしととと思思おもふふう人人ひとののの推推おししし量量はかりりり事事ごとうちうちうちしししすゞろすゞろすずろなるなるなる物物もの恨恨うらみみみししし、、、我我われかしこげかしこげかしこげなるなるなる。。。心心こころあしきあしきあしき人人ひとののの養養やしなひひいたるたるたる子子こ。。。さるはさるはさるはそれそれそれががが罪罪つみにににもももあらあらあらねねねどどどかゝるかゝるかかる人人ひとにににしもしもしもととと覺覺おぼゆるゆるゆる故故ゆえにににやややあらあらあらむむん、、、「「「數多數多あまたあるあるあるががが中中なかににに、、、このこのこの君君きみをををばばば思思おもひひいおとしおとしおとし給給たまひひいてててやややにくまにくまにくまれれれ給給たまふふうよよよ」」」などなどなどあらゝかあらゝかあららかにににいふいふいう。。。ちごちごちごははは思思おもひひいももも知知しらららぬぬぬにににやややあらあらあらむむん、、、もとめもとめもとめててて泣泣なききき惑惑まどふふう心心こころづきづきずきなきなきなきなめりなめりなめり。。。おとなおとなおとなににになりなりなりてててももも思思おもひひい後後うしろみみみもてもてもて騒騒さわぐぐぐ程程ほどににに、、、なかなかなかなかなかなかなるなるなる事事ことこそこそこそおほかおほかおおかめれめれめれ。。。侘侘わびしくしくしくにくきにくきにくき人人ひとににに思思おもふふう人人ひとのののはしたなくはしたなくはしたなくいへいへいえどどど、、、添添そひひいつきつきつきてててねんごろねんごろねんごろがるがるがる。。。「「「聊聊いささか心心こころあしあしあし」」」などなどなどいへいへいえばばば常常つねよりよりよりももも近近ちかくくく臥臥ふしししててて物物ものくはせくはせくわせいといといとほしがりほしがりほしがり、、、そのそのその事事こととととなくなくなく思思おもひひいたるたるたるにににまつはれまつはれまつわれ追從追從ついしょうしししとりとりとりもちもちもちててて惑惑まどふふう。。。
現代語訳
気に入らないもの。
どこかへ出かけたり寺へ参詣したりする日の雨。召使いが「自分のことはお気にかけてくださらない。誰それこそ今のお気に入りだ」などと言うのを、ちらりと聞いたとき。人よりはやはり少し憎らしいと思う人が、当て推量をしたり、わけもない恨み言を言ったりして、自分ひとり賢いと思っているの。性格の悪い人が育てている子。もっとも、それはその子の罪ではないけれど、こういう人に育てられているからと思われるせいだろうか、「大勢いる中で、この子のことを軽んじて、憎んでいらっしゃるのですね」などと荒々しく言う。幼児は何もわからないのだろうか、乳母を求めて泣き騒ぐのは気に入らないようだ。大人になってからも、後見して騒ぎ立てるうちに、かえって具合の悪いことが多いようだ。わびしく憎らしい人に、思う人がそっけなく言うけれど、相手はまとわりついて親しげにする。「少し気分が悪い」などと言うと、いつもより近くに寝て、物を食べさせ、気の毒がり、何ということもなく思っているのに、まとわりついてご機嫌をとり、世話を焼いて大騒ぎする。
意訳
前の「心づきなきもの」(第120段)と同じ題で、前半は同じ内容が繰り返されている。後半では、性格の悪い乳母が育てた子への偏愛や、憎い人にまとわりつかれる煩わしさが加わる。本文が伝わる過程で重複したものと考えられている。
語釈・文法注
文法
- 「推し量り事」
- 当て推量。
- 「追從」
- こびへつらうこと。
解説
底本では第120段と同じ題で再び現れる段である。伝本の成立事情を考えるうえで興味深い。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、361–362頁(コマ192–193)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日