枕草子 第292段 随想的章段
よろしき男を下衆女などの
まあまあの男を身分の低い女などがほめて、「たいそう親しみやすくていらっしゃる」などと言うと、その男はすぐに見下されてしまうだろう。けなされるほうがかえってよい。下々の者にほめられるのは、女でさえよくないという。
場面イラスト(準備中)
- 1よろしきよろしきよろしき男男おとこをををげすげすげす女女おんななどなどなどののの譽譽ほめめめててて「「「いみじういみじういみじゅうなつかしうなつかしうなつかしゅうこそこそこそおはすれおはすれおわすれ」」」などなどなどいへいへいえばばば、、、やがてやがてやがて思思おもひひいおとさおとさおとされれれぬぬぬべしべしべし。。。そしらそしらそしらるゝるゝるるはははなかなかなかなかなかなかよしよしよし。。。げすげすげすにににほめほめほめらるゝらるゝらるるははは女女おんなだにだにだにわろしわろしわろし。。。又又また譽譽ほむるむるむるまゝまゝままににに言言いひひいそこなひそこなひそこないつるつるつるものものものをををばばば。。。
現代語訳
まあまあの身分の男を、身分の低い女などがほめて、「たいそう親しみやすくていらっしゃる」などと言うと、すぐに見下げられてしまうだろう。けなされるのは、かえってよい。身分の低い者にほめられるのは、女でさえよくない。また、ほめているうちに、言いそこなってしまうのも困ったものだ。
意訳
身分の低い者にほめられることは、かえって評判を落とすという、身分社会の微妙な感覚を述べた段である。下々の者に親しみやすいと言われるのは、品がないと思われることにつながる。作者の率直な価値観が表れている。
語釈・文法注
文法
- 「なつかしう」
- 親しみやすく、心ひかれる。
解説
当時の身分意識がよく表れた段である。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、357頁(コマ190)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日