枕草子 第285段 随想的章段
家広く清げにて
家が広く清らかで、親族はもちろん、親しく付き合う宮仕えの女房たちを片隅に住まわせたい。折にふれて集まって語り合い、歌や手紙を一緒に見て、訪ねて来る人も清らかに整えた所に迎え、宮中へ参る時は世話をして送り出したい。高貴な方のご様子を知りたいと思うのは、よくない心だろうかという。
場面イラスト(準備中)
- 1家家いえ廣廣ひろくくく清清きよげげげにてにてにて親族親族しんぞくははは更更さらなりなりなり、、、たゞたゞただうちうちうちかたらひかたらひかたらいなどなどなどするするする人人ひとにににははは、、、宮宮みやづかへづかへずかえ人人びと片片かたつつつ方方かたにににすゑすゑすえてててこそこそこそあらあらあらまほしけれまほしけれまほしけれ。。。さるべきさるべきさるべき折折おりははは一所一所ひとところににに集集あつまりりり居居いててて物語物語ものがたりししし、、、人人ひとののの詠詠よみみみたるたるたる歌歌うた何何なにくれくれくれととと語語かたりりりあはせあはせあわせ、、、人人ひとののの文文ふみなどなどなど持持もてててくるくるくる、、、もろともにもろともにもろともに見見み、、、返事返事かえりごとかきかきかき又又またむつましうむつましうむつましゅうくるくるくる人人ひともももあるあるあるははは、、、清清きよげげげにににうちうちうちしつらひしつらひしつらいててて入入いれれれ、、、雨雨あめなどなどなど降降ふりりりててて得得えかへらかへらかえらぬぬぬもももをかしうをかしうおかしゅうもてなしもてなしもてなし、、、參參まいらららむむんをりをりおりはははそのそのその事事こと見見み入入いれれれててて思思おもははわむむんさまさまさまにににしししててて出出いだししし立立たてててなどなどなどせせせばやばやばや。。。善善よききき人人ひとのののおはしますおはしますおわします御御おん有樣有樣ありさまなどなどなどいといといとゆかしきゆかしきゆかしきぞぞぞ、、、けしからけしからけしからぬぬぬ心心こころにににやややあらあらあらむむん。。。
現代語訳
家が広くきれいで、親族はもちろん、ただ親しく付き合っている人の中には、宮仕えの人を片隅に住まわせておきたいものだ。しかるべき折には一か所に集まって座って話をし、人が詠んだ歌のことをあれこれと語り合い、人の手紙などが届いたら一緒に見て、返事を書き、また親しく訪ねて来る人がいれば、きれいに部屋を整えて招き入れ、雨などが降って帰れないときも趣深くもてなし、宮中に参上するときは、その支度を見てやって、思いどおりに整えて送り出したりしたいものだ。身分の高い方々のいらっしゃるご様子などがたいそう知りたいのは、よくない心だろうか。
意訳
作者が思い描く理想の家の姿である。広く清らかな家に、宮仕えの女房たちを住まわせ、歌や手紙を見せ合い、訪ねて来る男たちを迎え、宮中に参る支度を手伝って送り出す。華やかな宮廷の話を身近に聞いていたいという、作者らしい好奇心と社交への憧れがあふれている。
語釈・文法注
文法
- 「宮づかへ人」
- 宮中に仕える女房。
- 「出し立て」
- 支度を整えて送り出すこと。
解説
作者の理想の暮らしを語った段で、宮廷文化への深い愛着がうかがえる。
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出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、354頁(コマ189)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日