枕草子 第280段 日記的章段
三月ばかり物忌しにとて
三月ごろ、物忌のために仮住まいの家に行くと、柳が優美でなく葉が広くて見苦しいので、「違うもののようだ」と言うと「こういうのもある」と言われる。作者は「さかしらに柳の眉のひろごりて春の面を伏する宿かな」と思った。
場面イラスト(準備中)
- 1三月三月さんがつばかりばかりばかり物忌物忌ものいみしししにににとてとてとてかりそめかりそめかりそめなるなるなる人人ひとののの家家いえにににいきいきいきたれたれたればばば、、、木木きどもどもどもなどなどなどはかばかしからはかばかしからはかばかしからぬぬぬ中中なかににに柳柳やなぎととといひいひいいててて例例れいのののやうやうようににになまめかしくなまめかしくなまめかしくはははあらあらあらででで、、、葉葉は廣廣ひろううう見見みえええてててにくげにくげにくげなるなるなるををを「「「あらあらあらぬぬぬものものものなめりなめりなめり」」」ととといへいへいえばばば「「「かゝるかゝるかかるもももありありあり」」」などなどなどいふいふいうににに、、、
- 2「「「さかしらさかしらさかしらににに柳柳やなぎのののまゆまゆまゆのののひろごりひろごりひろごりててて春春はるのののおもておもておもてをををふするふするふするやどやどやどかなかなかな」」」
- 3とととこそこそこそ見見みえええしかしかしか。。。
現代語訳
三月ごろ、物忌をしにということで、仮住まいの人の家に行ったところ、木などもたいしたことのない中に、柳といっても、いつものように優美ではなく、葉が広く見えて見苦しいので、「違うもののようね」と言うと、「こういうのもあるのです」などと言うので、
利口ぶって柳の眉が広がっているので、春の面目をつぶしている宿だこと。
と思われたことだ。
意訳
物忌のために訪れた家の庭の柳が、葉が広がって見苦しい。柳の細い葉は美人の眉にたとえられるのが常だが、この家の柳はその眉が広がってしまっている。作者はそれを「春の面目をつぶす宿」と歌に詠んでからかう。見たものをすぐに歌にする作者の機知がうかがえる。
語釈・文法注
文法
- 「柳のまゆ」
- 柳の細い葉を、美人の眉にたとえた言い方。
- 「おもてをふする」
- 面目を失わせる、顔をつぶす。
和歌
さかしらに柳の眉のひろごりて春のおもてを伏する宿かな
- 詠者
- 清少納言
- 状況
- 物忌のために訪れた家の庭の、葉の広がった見苦しい柳を見て詠んだ歌。
修辞
- 掛詞
- 「おもて」に「面(顔)」と「面目」を掛ける。
解説
短い日記的章段で、次の段とともに物忌の折の出来事を語っている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、352頁(コマ188)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日