枕草子 第279段 随想的章段
陰陽師のもとなる小童べこそ
陰陽師に仕える童はたいそう物を知っている。お祓いに出かけると、祭文を読むのを人は聞いているが、童は主人に言われなくても水を注いだりして、少しも言葉をかけさせないのがうらやましい。そういう人を使いたいという。
場面イラスト(準備中)
- 1陰陽師陰陽師おんようじののの許許もとなるなるなる童童わらわべべべこそこそこそいみじくいみじくいみじく物物ものははは知知しりりりたれたれたれ。。。はらへはらへはらえなどなどなどしししににに出出いでででたれたれたればばば、、、祭文祭文さいもんなどなどなど讀讀よむむむ事事こと、、、人人ひとはははなほなほなおこそこそこそ聞聞きけけけ。。。そとそとそと立立たちちちはしりはしりはしりててて「「「白白しろききき水水みずいかけいかけいかけさせさせさせよよよ」」」ともともともいはいはいわぬぬぬににに、、、しししありくありくありくさまさまさまののの例例れい知知しりりり、、、聊聊いささかしうしうしゅうににに物物ものいはいはいわせせせぬぬぬこそこそこそ羨羨うらやましけれしけれしけれ。。。さらさらさらむむん人人ひとをををがながながなつかはつかはつかわむむんとととこそこそこそおぼゆれおぼゆれおぼゆれ。。。
現代語訳
陰陽師のもとにいる童こそ、たいそう物をよく知っている。お祓いなどをしに出かけると、祭文などを読むのを、人はやはりただ聞いている。童はさっと立って走り回り、「白い水を注がせよ」とも言われないのに、立ち働く様子は作法を心得ていて、少しも主人に言葉をかけさせないのは、うらやましい。そういう人を使いたいものだと思われる。
意訳
お祓いの場で、主人に指図されなくてもてきぱきと動く陰陽師の童の姿に、作者は感心している。気のきく召使いを持ちたいという、宮仕えの女房らしい実感である。
語釈・文法注
文法
- 「陰陽師」
- 陰陽道に基づいて吉凶を占い、祓えや祈祷を行う者。
- 「しう」
- 主。主人。
解説
気のきく使用人へのあこがれを述べた短い段である。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、352頁(コマ188)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日