枕草子 第240段 随想的章段
五六月の夕方
五、六月の夕方、青草を細く美しく刈って、赤い衣を着た小さな子どもが、小さな笠をかぶって左右にたくさん抱えて行くのが、何となくおもしろいという。
場面イラスト(準備中)
- 1五六月五六月ごろくがつののの夕夕ゆうかたかたかた靑靑あおききき草草くさををを細細ほそううう麗麗うるわしくしくしくきりきりきりててて赤赤あかぎぬぎぬぎぬ着着きたるたるたるこここちごちごちごののの、、、ちひさきちひさきちいさき笠笠かさををを着着きててて左右左右ひだりみぎにににいといといと多多おおくくくもちもちもちてててゆくゆくゆくこそこそこそすゞろすゞろすずろにににをかしけれをかしけれおかしけれ。。。
現代語訳
五、六月の夕方、青い草を細くきれいに刈って、赤い衣を着た小さな子どもが、小さな笠をかぶって、左右にたいそうたくさん抱えて行くのは、何となくおもしろい。
意訳
初夏の夕方の、ささやかな情景を切り取った一文である。刈りたての青草、赤い衣、小さな笠。色の対比と、小さな子どもが一生懸命に草を運ぶ姿のかわいらしさが、短い文の中に生き生きと描かれている。
語釈・文法注
文法
- 「こちご」
- 小さな子ども。
解説
「うつくしきもの」の段にも通じる、小さいものへの愛着が感じられる。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、327頁(コマ170)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日