枕草子 第235段 類聚的章段
身をかへたらむ人などはかくやあらむと見ゆるもの
生まれ変わった人はこうでもあろうかと見えるものとして、普通の女房が若宮の乳母になったときの様子を挙げる。唐衣も裳も着けずに御帳の中を居所とし、女房たちを使っている。また雑色が蔵人になったのもすばらしく、去年の臨時の祭で琴を持っていた人とも思えないという。
場面イラスト(準備中)
- 1身身みをををかへかへかへたらたらたらむむん人人ひとなどなどなどはははかくかくかくやややあらあらあらむむんとととみゆるみゆるみゆるものものもの題
- 2たゞたゞただののの女房女房にょうぼうにてにてにて侍侍さぶらふふう人人ひとののの御御おんめのとめのとめのとににになりなりなりたるたるたる。。。からぎぬからぎぬからぎぬももも着着きずずず、、、裳裳もをををだにだにだに用意用意よういなくなくなく、、、はくはくはくぎぬぎぬぎぬにてにてにて御御おまへまへまえににに添添そひひいふしふしふしててて御御み帳帳ちょうのののうちうちうちををを居所居所いどころにににしししててて、、、女房女房にょうぼうどもどもどもををを呼呼よびびびつかひつかひつかい、、、局局つぼねににに物物ものいひいひいいやりやりやり、、、文文ふみとりとりとりつがつがつがせせせなどなどなどしししてててあるあるあるさまさまさまよよよ、、、言言いひひい盡盡つくすくすくすべくべくべくだにだにだにあらあらあらずずず。。。雜色雜色ぞうしきののの藏人藏人くろうどににになりなりなりたるたるたるめでたしめでたしめでたし。。。こぞこぞこぞののの霜月霜月しもつきののの臨時臨時りんじののの祭祭まつりにににみことみことみこともたりもたりもたりししし人人ひとともともとも見見みえええずずず、、、君達君達きんだちににに連連つれれれてててありくありくありくはははいづくいづくいずくなりなりなりししし人人ひとぞぞぞとととこそこそこそおぼゆれおぼゆれおぼゆれ。。。外外ほかよりよりよりなりなりなりたるたるたるなどなどなどははは同同おなじじじ事事ことなれなれなれどどどさしもさしもさしもおぼえおぼえおぼえずずず。。。
現代語訳
生まれ変わった人などは、こんなふうであろうかと見えるもの。
普通の女房としてお仕えしている人が、若宮の御乳母になったの。唐衣も着ず、裳さえきちんとつけず、白い衣のままで御前に添い寝して、御帳台の中を居場所にして、女房たちを呼びつけて使い、局に用事を言いやり、手紙を取り次がせなどしている様子は、言葉では言い尽くせない。雑色が蔵人になったのもすばらしい。去年の十一月の臨時の祭で、御琴を持っていた人とも見えず、君達と連れ立って歩いているのは、どこの人だったろうと思われる。ほかの役所から蔵人になったのなどは、同じことだけれど、それほどにも思われない。
意訳
境遇が一変して、まるで別人のようになった人を描いている。同僚だった女房が若宮の乳母になると、唐衣も裳もつけずに御帳台の中に陣取り、かつての仲間を使う身になる。雑色から蔵人になった人も、去年は祭で琴を運んでいたのに、今は貴公子たちと肩を並べている。身分の変化が人の姿をも一変させることへの、驚きと少しの皮肉がこめられている。
語釈・文法注
文法
- 「はくぎぬ」
- 白い衣のままの姿。三巻本では「白衣」。
- 「雜色」
- 蔵人所の雑色。蔵人所で雑用をつとめる身分の低い役人。
- 「みこと」
- 御琴。臨時の祭で、雑色が琴を運ぶ役をした。
解説
前に出てきた「したり顔なるもの」にも通じる、昇進による人の変化への関心が示されている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、326頁(コマ169)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日