枕草子 第229段 類聚的章段
さかしきもの
利口ぶっているものとして、今風の三歳児、子どもの祈祷やお祓いをする女たちを挙げ、その女が紙を切って祭具を作り、大げさに祈る様子や、かつて若君の病を治したと自慢する様子をおもしろく描く。
場面イラスト(準備中)
- 1さかしきさかしきさかしきものものもの題
- 2今今いまやうやうようのののみとせみとせみとせ子子ご。。。ちごちごちごのののいのりいのりいのりはらへはらへはらえなどなどなどするするする女女おんなどもどもども、、、物物ものののの具具ぐこひこひこい出出いでゝでゝでていのりいのりいのりののの物物ものどもどもどもつくるつくるつくるににに、、、紙紙かみあまたあまたあまたおしおしおし重重かさねねねててていといといと鈍鈍にぶききき刀刀かたなしししてててきるきるきるさまさまさま、、、ひとへひとへひとえだにだにだに斷斷たつつつべくべくべくももも見見みえええぬぬぬにににさるさるさる物物ものののの具具ぐとととなりなりなりにににけれけれければばば、、、おのおのおのががが口口くちをををさへさへさへ引引ひきききゆがめゆがめゆがめててておしおしおし、、、切目切目きりめおほかるおほかるおおかるものものものどもどもどもしししてててかけかけかけ、、、竹竹たけうちうちうち切切きりりりなどなどなどしししててていといといとかうがうしうかうがうしうこうごうしゅうしししたてゝたてゝたてて、、、うちうちうちふるひふるひふるい祈祈いのるるる事事ことどもどもどもいといといとさかしさかしさかし。。。かつかつかつははは何何なにののの宮宮みやのののそのそのその殿殿とのののの若君若君わかぎみいみじういみじういみじゅうおはせおはせおわせしししををを、、、かいかいかいのごひのごひのごいたるたるたるやうやうようにににやめやめやめ奉奉たてまつりりりしかしかしかばばば、、、祿祿ろく多多おおくくく賜賜たまははわりりりししし事事こと、、、そのそのその人々人々ひとびと召召めしししたりたりたりけれけれけれどどど、、、しるししるししるしもももなかりなかりなかりけれけれければばば、、、今今いまににに女女おんなをををなむなむなん召召めすすす御御おん德德とくををを見見みるるることことことなどなどなど語語かたるるるもももをかしをかしおかし。。。げすげすげすののの家家いえののの女女おんなあるじあるじあるじ、、、しれしれしれたるたるたるものものものそひそひそいしししもももをかしをかしおかし。。。まことにまことにまことにさかしきさかしきさかしき人人ひとをををおしおしおしなどなどなどすすすべしべしべし。。。
現代語訳
利口ぶっているもの。
今どきの三歳児。子どもの祈祷やお祓いなどをする女たちが、道具を求めて取り出して、祈祷の品々を作るのに、紙をたくさん押し重ねて、たいそう切れ味の悪い刀で切る様子は、一枚さえ切れそうにも見えないのに、そういう道具になってしまったので、自分の口までゆがめて押し切り、切れ目の多いもので掛けたり、竹を切ったりなどして、たいそう神々しく仕立てて、身を震わせて祈る様子は、たいそう利口ぶっている。一方では、「何の宮の、どこそこの殿の若君がひどくお悪かったのを、拭い去るようにお治し申し上げたので、ご褒美をたくさんいただきました。その方々は、ほかの人々をお召しになったけれど効き目がなかったので、今でもこの女をお召しになります。おかげをこうむっています」などと語るのもおもしろい。下賤の家の女主人で、愚かな者が付き添っているのもおもしろい。本当に賢い人を、教え導いたりするのだろう。
意訳
「さかし」は、利口ぶって、こざかしいという意味である。今風のませた子どもと並べて、民間の祈祷をする女の様子を描いている。切れない刀で口をゆがめて紙を切り、大げさに身を震わせて祈り、かつて高貴な若君を治したと自慢する。作者は少し皮肉をこめながらも、その様子をおもしろがって見ている。
語釈・文法注
文法
- 「みとせ子」
- 三歳の子。
- 「物の具」
- 祈祷に使う道具。御幣など。
- 「かいのごひたるやうに」
- 拭い去ったように、すっかりと。
解説
宮廷の外の、民間信仰の担い手の姿を描いた珍しい段である。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、325頁(コマ168)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日