枕草子 第226段 類聚的章段
騒がしきもの
騒がしいものとして、はしり火、板屋の上で鳥が朝の飯をつつくこと、十八日に清水寺に参籠する人々、暗くなって灯もともさないうちに人が集まってくること、遠い国から家の主が上京したとき、近所の火事、物見が終わって車が帰り騒ぐときを挙げる。
場面イラスト(準備中)
- 1さわがしきさわがしきさわがしきものものもの題
- 2はしりはしりはしり火火び。。。板屋板屋いたやのののうへうへうえにてにてにて鳥鳥とりのののときときときのののさばくふさばくふさばくう。。。十八日十八日じゅうはちにち清水清水きよみずににに籠籠こもりりりあひあひあいたるたるたる。。。くらうくらうくろうなりなりなりてててまだまだまだ火火ひもももともともともさささぬぬぬほどほどほどににに、、、ほかほかほかほかほかほかよりよりより人人ひとののの來來き集集あつまりまりまりたるたるたる。。。ましてましてまして遠遠とおききき所所ところ人人ひとののの國國くになどなどなどよりよりより家家いえのののぬしぬしぬしののののぼりのぼりのぼりたるたるたるいといといとさわがしさわがしさわがし。。。近近ちかきききほどほどほどににに火火ひ出出いででで來來きぬぬぬととといふいふいう。。。されどされどされど燃燃もえええはつかはつかはつかざりざりざりけるけるける。。。物見物見ものみはてゝはてゝはてて車車くるまのののかへりかへりかえりさわぐさわぐさわぐほどほどほど。。。
現代語訳
騒がしいもの。
はぜて飛び散る火。板屋根の上で、鳥が朝の飯をつついているの。十八日に清水寺に大勢でこもり合っているの。暗くなって、まだ灯火もともさないうちに、あちこちから人が集まって来たの。まして遠い所、地方の国などから家の主人が上京してきたのは、たいそう騒がしい。近い所で火事が起きたというとき。それでも燃え移りはしなかったのだが。見物が終わって、車が帰って騒ぐころ。
意訳
にぎやかで落ち着かない場面を集めている。観音の縁日である十八日の清水寺、地方の任国から主人が戻った屋敷の大騒ぎ、近所の火事、祭見物の帰りの車の混雑。人が集まるところの活気と混乱を、短い言葉で次々に描き出している。
語釈・文法注
文法
- 「はしり火」
- 炭火などがはぜて飛び散る火。
- 「さばくふ」
- 生飯(さば)を食う。食事の前に鳥獣のために取り分けた飯を、鳥がついばむこと。
- 「十八日」
- 観音の縁日。清水寺は観音の霊場で、参籠する人が多かった。
解説
前段までの静かな天象の段から一転して、人の騒がしさを集めた段である。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、324–325頁(コマ167–168)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日