枕草子 第217段 随想的章段
文こそなほめでたきものなれ
手紙はやはりすばらしいものである。遠く離れた人の手紙を読むと、まるで向かい合っているように思え、自分の思いを書き送れば、たとえ届かなくても心が晴れる。手紙というものがなかったら、どんなに心が晴れないことだろう。まして返事が来れば、命が延びるような気がすると述べる。
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- 1めづらしめづらしめずらしととといふいふいうべきべきべきことことことにににはははあらあらあらねねねどどど文文ふみこそこそこそ猶猶なおめでたきめでたきめでたきものものものなれなれなれ。。。はるかはるかはるかなるなるなる世界世界せかいにににあるあるある人人ひとのののいみじくいみじくいみじくおぼつかなくおぼつかなくおぼつかなくいかならいかならいかならむむんととと思思おもふふうににに、、、文文ふみををを見見みれれればばば唯今唯今ただいまさしさしさし向向むかひひいたるたるたるやうやうようにににおぼゆるおぼゆるおぼゆるいみじきいみじきいみじきことことことなりなりなりかしかしかし。。。我我わががが思思おもふふうことことことををを書書かききき造造やりりりつれつれつればばば、、、あしこあしこあしこまでまでまでももも行行ゆきききつかつかつかざるざるざるらめらめらめどどど、、、こゝろこゝろこころゆくゆくゆく心心ここちちちこそこそこそすれすれすれ。。。文文ふみととといふいふいう事事ことなからなからなからましかましかましかばばばいかにいかにいかにいぶせくいぶせくいぶせくくれくれくれふたがるふたがるふたがる心心ここちちちせせせましましまし。。。萬萬よろずののの事事こと思思おもひひい思思おもひひいてててそのそのその人人ひとののの許許もとへへへとてとてとて、、、こまごまこまごまこまごまととと書書かきききててて置置おきききつれつれつればばば、、、おぼつかなさおぼつかなさおぼつかなさをををももも慰慰なぐさむむむ心心ここちちちするするするににに、、、ましてましてまして返事返事かえりごと見見みつれつれつればばば命命いのちををを延延のぶぶぶべかべかべかめるめるめる、、、げにげにげにことわりことわりことわりにににややや。。。
現代語訳
珍しいと言うべきことではないけれど、手紙はやはりすばらしいものである。はるか遠い所にいる人が、たいそう気がかりで、どうしているだろうと思っているときに、手紙を見ると、まるで今向かい合っているように思われるのは、すばらしいことだ。自分の思うことを書いて送ったので、向こうまで届いていないかもしれないけれど、心が晴れる気持ちがする。手紙というものがなかったら、どんなに気が晴れず、心がふさがってしまうことだろう。いろいろなことを思いながら、その人のもとへと、こまごまと書いておくと、気がかりな気持ちも慰められる気がするのに、まして返事を見ると、命が延びるようだというのも、なるほどもっともなことだろう。
意訳
手紙の持つ力をたたえた段である。遠く離れた人の手紙を読めば、目の前にその人がいるように感じられる。自分が書いた手紙は、たとえ相手に届かなくても書くだけで心が晴れる。そして返事が来れば、命が延びる思いがする。今日のように通信手段のなかった時代、手紙は人と人とをつなぐかけがえのないものであった。その実感が率直に語られている。
語釈・文法注
文法
- 「書き造りつれば」
- 書いて送ったので。三巻本では「書きやりつれば」。
- 「いぶせく」
- 気が晴れず、うっとうしい。
- 「命を延ぶ」
- 『白氏文集』などに見える表現をふまえるか。
解説
手紙の効用をしみじみと語った、作者の実感のこもった段である。宮仕えを通じて多くの手紙のやりとりをした作者ならではの言葉といえる。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、320–321頁(コマ163–164)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日