枕草子 第210段 随想的章段
物へ行く道に
道で立文を持って急ぐ男や、草子を持って行く童を呼び寄せて見たくなること、見物に粗末な車で出かける人への苦言、祭の還さの日に車を立てて待つ様子、斎院の饗宴から戻る殿上人の行列、身分の高い家の車が他の車を押しのけて場所を取る様子などを描く。
- 1ものものものへへへいくいくいく道道みちににに清清きよげげげなるなるなるをのこをのこおのこのののたてたてたてぶみぶみぶみのののほそやかほそやかほそやかなるなるなる持持もちちちててて急急いそぎぎぎ行行ゆくくくこそこそこそいづちいづちいずちならならならむむんとととおぼゆれおぼゆれおぼゆれ。。。又又また清清きよげげげなるなるなるわらはべわらはべわらわべなどなどなどののの袙袙あこめいといといとあざやかあざやかあざやかにににはははあらあらあらずずず、、、なえばみなえばみなえばみたるたるたるけいしけいしけいしのののつやゝかつやゝかつややかなるなるなるががが革革かわににに土土つち多多おおくくくついついついたるたるたるをををはきはきはきててて、、、白白しろききき紙紙かみににに包包つつみみみたるたるたる物物もの、、、もしはもしはもしは箱箱はこののの蓋蓋ふたににに草紙草紙そうしどもどもどもなどなどなど入入いれれれてててもてもてもて行行ゆくくくこそこそこそいみじういみじういみじゅう呼呼よびびび寄寄よせせせててて見見みまほしけれまほしけれまほしけれ。。。門門かどぢかぢかじかなるなるなる所所ところをををわたるわたるわたるををを呼呼よびびび入入いるゝるゝるるににに、、、あいぎやうあいぎやうあいぎょうなくなくなくいらへいらへいらえもももせせせでででいくいくいくものものものはははつかふつかふつかうらむらむらん人人ひとこそこそこそ推推おしししはからはからはからるれるれるれ。。。行幸行幸ぎょうこうはははめでたきめでたきめでたきものものもの。。。上達部上達部かんだちめ、、、君達君達きんだち、、、車車くるまなどなどなどのののなきなきなきぞぞぞ少少すこしししさうざうしきさうざうしきそうぞうしき。。。萬萬よろずののの事事ことよりよりよりもももわびしげわびしげわびしげなるなるなる車車くるまにににさうぞくさうぞくそうぞくわろくわろくわろくててて物物もの見見みるるる人人ひといといといともどかしもどかしもどかし。。。說經說經せっきょうなどなどなどはははいといといとよしよしよし、、、罪罪つみうしなふうしなふうしなうかたかたかたののの事事ことなれなれなればばば。。。それそれそれだにだにだに猶猶なおあながちあながちあながちなるなるなるさまさまさまにてにてにて見見み苦苦ぐるしかるしかるしかるべきべきべきををを、、、ましてましてまして祭祭まつりなどなどなどははは見見みでででありありありぬぬぬべしべしべし。。。下簾下簾したすだれもももなくなくなくててて白白しろきききひとへひとへひとえうちうちうち垂垂たれれれなどなどなどしししてててあああめりめりめりかしかしかし。。。唯唯ただそのそのその日日ひののの料料りょうにににとてとてとて車車くるまももも下簾下簾したすだれもももしししたてゝたてゝたてて、、、いといといと口口くちをしうをしうおしゅうはははあらあらあらじじじととと出出いでででたるたるたるだにだにだにまさるまさるまさる車車くるまなどなどなど見見みつけつけつけてててははは、、、何何なにしししににになどなどなどおぼゆるおぼゆるおぼゆるものものものををを、、、ましてましてましていかばかりいかばかりいかばかりなるなるなる心心ここちちちにてにてにてさてさてさて見見みるるるらむらむらん。。。おりおりおりのぼりのぼりのぼりありくありくありく君達君達きんだちののの車車くるまのののおしおしおし分分わけけけててて近近ちこううう立立たつつつ時時ときなどなどなどこそこそこそ心心こころときめきときめきときめきはははすれすれすれ。。。よきよきよき所所ところににに立立たてててむむんととといそがせいそがせいそがせばばばとくとくとく出出いでゝでゝでて待待まつつつほどほどほどいといといと久久ひさしきしきしきににに、、、ゐゐいはりはりはり立立たちちちあがりあがりあがりなどなどなどあつくあつくあつく苦苦くるしくしくしくまちまちまちこうずるこうずるこうずる程程ほどににに、、、齋院齋院さいいんのののゑんがゑんがえんがににに參參まいりりりたるたるたる殿上人殿上人てんじょうびと、、、所所ところののの衆衆しゅう、、、辨辨べん、、、少納言少納言しょうなごんなどなどなど七七ななつつつ八八やつつつ引引ひきききつゞけつゞけつづけててて、、、院院いんのののかたかたかたよりよりより走走はしらららせせせてててくるくるくるこそこそこそ事事ことなりなりなりにににけりけりけりととと驚驚おどろかかかれれれててて嬉嬉うれしけれしけれしけれ。。。殿上人殿上人てんじょうびとののの物物もの言言いひひいおこせおこせおこせ、、、所々所々ところどころののの御御お前前さきどもどもどもにににすゐばんすゐばんすいばんくはすくはすくわすとてとてとて、、、さじきさじきさじきのののもともともとににに馬馬うまひきひきひき寄寄よするするするににに、、、覺覺おぼえええあるあるある人人ひとののの子子こどもどもどもなどなどなどははは雜色雜色ぞうしきなどなどなどおりおりおりててて馬馬うまののの口口くちなどなどなどしししてててをかしをかしおかし。。。さらさらさらぬぬぬ物物ものののの見見みもももいれいれいれられられられぬぬぬなどなどなどぞぞぞいといといとほしげほしげほしげなるなるなる。。。御輿御輿みこしののの渡渡わたらららせせせ給給たまへへえばばば、、、すだれすだれすだれもももあるあるある限限かぎりりり取取とりりりおろしおろしおろし過過すぐさささせせせ給給たまひひいぬるぬるぬるにににまどひまどひまどいあぐるあぐるあぐるもももをかしをかしおかし。。。そのそのその前前まえににに立立たてるてるてる車車くるまはははいみじういみじういみじゅう制制せいするするするににに、、、「「「などなどなどててて立立たつつつまじきまじきまじきぞぞぞ」」」ととと强强しひひいててて立立たつれつれつればばば、、、いひいひいいわづらひわづらひわずらいてててせうそこせうそこしょうそこなどなどなどするするするこそこそこそをかしけれをかしけれおかしけれ。。。所所ところもももなくなくなく立立たちちち重重かさなりなりなりたるたるたるににに、、、よきよきよき所所ところののの御御おん車車くるま人人ひとだまひだまひだまい引引ひきききつゞきつゞきつづきててて多多おおくくくくるくるくるををを、、、いづくいづくいずくににに立立たたたたむむんととと見見みるるるほどほどほどににに、、、御御お前前さきどもどもども唯唯ただおりおりおりにににおりおりおりててて、、、立立たてるてるてる車車くるまどもどもどもををを唯唯ただのけのけのけにににのけのけのけさせさせさせててて人人ひとだまひだまひだまいつゞきつゞきつづきててて立立たてるてるてるこそこそこそいといといとめでたけれめでたけれめでたけれ。。。逐逐おひひいのけのけのけられられられたるたるたるえせえせえせ車車ぐるまどもどもども牛牛うしかけかけかけててて所所ところあるあるあるかたかたかたにににゆるがしゆるがしゆるがしもてもてもて行行ゆくくくなどなどなどいといといとわびしげわびしげわびしげなりなりなり。。。きらきらしききらきらしききらきらしきなどなどなどをををばばばえええさしもさしもさしも推推おしししひしがひしがひしがずずずかしかしかし。。。いといといと清清きよげげげなれなれなれどどど又又またひなびひなびひなびあやしくあやしくあやしく、、、げすげすげすももも絕絕たえええずずず呼呼よびびびよせよせよせ、、、ちごちごちご出出いだしししすゑすゑすえなどなどなどするするするもももあるあるあるぞぞぞかしかしかし。。。
現代語訳
どこかへ行く道で、こざっぱりとした男が細長い立文を持って急いで行くのは、どこへ行くのだろうと思われる。また、こざっぱりとした童などが、袙はたいそう鮮やかというわけではなく、着なれた感じで、つややかな屐子の革に土をたくさんつけたのをはいて、白い紙に包んだ物や、あるいは箱の蓋に草子などを入れて持って行くのは、ぜひ呼び寄せて見たいものだ。門の近くを通るのを呼び入れると、愛想もなく返事もしないで行ってしまう者は、使っている主人の人柄が推し量られる。行幸はすばらしいものだ。ただ、上達部や君達の車などがないのが少し物足りない。何よりも、みすぼらしい車に、身なりも悪くて見物する人はたいそうじれったい。説経などはたいそうよい。罪を消すためのことであるから。それでさえやはり、無理にそうした姿で出かけるのは見苦しいだろうに、まして祭などは見ないでいたほうがよい。下簾もなく、白い単衣を垂らしたりしているようだ。ただその日のためにと、車も下簾も整えて、たいそう見劣りはしないだろうと思って出かけてさえ、自分の車よりまさる車などを見つけては、何をしに来たのだろうと思われるのに、まして、どれほどの気持ちでそうして見ているのだろう。行き来する君達の車が、押し分けて近くに止まるときなどは、胸がどきどきする。よい場所に車を立てようと急がせるので、早く出かけて待つ間がたいそう長いので、座ったり立ち上がったりなどして、暑く苦しく待ちくたびれているうちに、斎院の饗宴に参上していた殿上人、蔵人所の衆、弁、少納言などが、七、八台も車を連ねて、斎院の方から走らせて来るのは、行列が始まったのだと驚かされてうれしい。殿上人が言葉をかけてよこしたり、あちこちの先払いの者たちに水飯を食べさせるといって、桟敷のもとに馬を引き寄せると、評判の高い人の子どもなどは、雑色などが下りて馬の口を取ったりしておもしろい。そうでない者が見向きもされないのは、たいそう気の毒そうだ。御輿がお渡りになると、簾もあるかぎりすべて下ろして、お通り過ぎになると、慌てて上げるのもおもしろい。その前に止めてある車を、ひどく制止するのに、「どうして止めてはいけないのか」と無理に止めるので、困り果てて挨拶などをするのはおもしろい。場所もないほど重なり合って止めてあるところに、身分の高い家のお車が、供の車を引き連れてたくさん来るのを、どこに止めるのだろうと見ていると、先払いの者たちがどんどん下りて、止めてある車どもを片端からどかせて、供の車まで続けて止めるのは、たいそうすばらしい。追いのけられた粗末な車どもが、牛をつけて空いている所へがたがたと動かして行くのなど、たいそうみじめである。きらびやかな車などは、そうまでして押しのけはしないものだ。たいそうこざっぱりしているけれど、また田舎めいて見苦しく、下々の者も絶えず呼び寄せ、子どもを出して座らせたりなどする車もあるよ。
意訳
物見に出かけたときの見聞を、とりとめなく書き連ねた段である。道で見かけた使いの童の持ち物が気になって呼び寄せたくなる好奇心から始まり、粗末な車で見物に出る人への厳しい批評、祭の日の場所取りの騒ぎへと話が移っていく。とりわけ、身分の高い家の先払いが、先に止めていた車を次々にどかせて場所を取る場面は、宮廷社会の力関係をありのままに映している。追い払われる「えせ車」への同情と、権勢への賛嘆とが入り混じった、作者の複雑なまなざしがうかがえる。
語釈・文法注
文法
- 「けいし」
- 屐子(けいし)。木製の履物。
- 「すゐばん」
- 水飯。冷水をかけた飯。
- 「人だまひ」
- 人給ひ。主人の車に続く、供の者の乗る車。
- 「まちこうずる」
- 待ち困ずる。待ちくたびれる。
解説
物見の場での車の争いは、『源氏物語』葵の巻の車争いを思わせる。作者は、権勢家の振る舞いを「いとめでたけれ」と言いながら、追われる車の「わびしげ」な様子も書き留めている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、316–318頁(コマ161–162)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
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