枕草子 第209段 類聚的章段
人の家につきづきしきもの
人の家にふさわしいものとして、厨、侍の詰所、新しい箒、懸盤、女童、端女、衝立障子、三尺の几帳、装飾のよい餌袋、唐傘、掻板、棚厨子、提子、銚子、中盤、円座、折れ曲がった廊、竹王を描いた火桶を挙げる。
場面イラスト(準備中)
- 1人人ひとののの家家いえにににつきづきしきつきづきしきつきずきしきものものもの題
- 2くりやくりやくりや、、、侍侍さぶらいののの曹司曹司ぞうし、、、はゝきはゝきははきのののあたらしきあたらしきあたらしき、、、かけばんかけばんかけばん、、、わらはめわらはめわらわめ、、、はしたはしたはしたものものもの、、、ついたてついたてついたてさうじさうじそうじ、、、三尺三尺さんじゃくののの几帳几帳きちょう、、、しやうぞくしやうぞくしょうぞくよくよくよくしししたるたるたる餌囊餌囊えぶくろ、、、からかさからかさからかさ、、、かきいたかきいたかきいた、、、棚棚たな厨子厨子ずし、、、ひさげひさげひさげ、、、銚子銚子ちょうし、、、中中なかのののばんばんばん、、、わらふだわらふだわらうだ、、、ひぢひぢひじをりをりおりたるたるたる廊廊ろう、、、ちくわうちくわうちかうゑゑえかきかきかきたるたるたる火桶火桶ひおけ。。。
現代語訳
人の家にふさわしいもの。
台所。侍の詰所。新しい箒。懸盤。女童。下仕えの女。衝立障子。三尺の几帳。飾りをよく施した餌袋。唐傘。掻板。棚厨子。提子。銚子。中盤。円座。折れ曲がった廊。竹王の絵を描いた火桶。
意訳
家にあると似つかわしいものを、調度から使用人、建物の造りまで並べている。当時の貴族の邸の暮らしぶりを、物の名前を通して垣間見ることのできる段である。
語釈・文法注
文法
- 「かけばん」
- 懸盤。食器をのせる脚付きの台。
- 「かきいた」
- 掻板。物をのせる板、あるいは衝立の一種とされる。
- 「ちくわう」
- 竹王。中国の故事に登場する人物で、火桶の絵柄とされた。
解説
物の名前を連ねる「もの尽くし」の一つで、当時の住まいの調度を知る資料としても興味深い。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、316頁(コマ161)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日