古典ライブラリー

枕草子 第204段 随想的章段

五日の菖蒲の

五月五日の菖蒲が秋や冬まで残り、白く枯れてしまったのを折り取ると、その時の香りが残っているのがおもしろいと述べる。

  1. 1五日いつか五日いつかいつかのののさうぶさうぶそうぶののの秋冬あきふゆ秋冬あきふゆあきうゆ過す過すすぐるぐるぐるまでまでまであるあるあるがががいみじういみじういみじゅう白しら白しらしらみみみ枯か枯かかれれれてててあやしきあやしきあやしきををを、、、引ひ引ひひききき折を折をおりりりあげあげあげたるたるたるににに、、、そのそのその折をり折をりおりののの香か香かかのののこりこりこりてててかゝへかゝへかかえたるたるたるもももいみじういみじういみじゅうをかしをかしおかし。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

五月五日の菖蒲が、秋や冬が過ぎるまで残っているのが、ひどく白っぽく枯れて見苦しくなっているのを、引き折って持ち上げると、あの時の香りが残っていて漂ってくるのも、たいそうおもしろい。

意訳

端午の節句に軒や御簾に挿した菖蒲が、季節が変わっても片づけられずに残っている。白く枯れた見苦しい姿なのに、折ってみると五月の香りがふっとよみがえる。過ぎた季節の記憶が、香りによって呼び覚まされる瞬間をとらえた一文である。

語釈・文法注

文法

「さうぶ」
菖蒲。五月五日の節句に、邪気を払うため軒に葺いたり身につけたりした。
「かゝへたる」
香りがこもって漂っている。

解説

次段の薫物の残り香とともに、香りが記憶を呼び起こすことを描いた短い段である。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、315–316頁(コマ160–161)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日