枕草子 第192段 類聚的章段
野は
野として、嵯峨野はいうまでもなく、印南野、交野、狛野、粟津野、飛火野、標茅野を挙げ、そうけ野は何となくおもしろいが、どうしてそんな名をつけたのだろうという。ほかに安倍野、宮城野、春日野、紫野を挙げる。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
野は。
嵯峨野は言うまでもない。印南野。交野。狛野。粟津野。飛火野。標茅野。そうけ野は、何となくおもしろい。どうしてそんな名をつけたのだろう。安倍野。宮城野。春日野。紫野。
意訳
歌枕の野を並べた段である。嵯峨野、春日野、宮城野など、和歌に繰り返し詠まれた名所が多い。「そうけ野」については、名前の響きがおかしくて、なぜそう名づけたのかと首をかしげている。
語釈・文法注
文法
- 「しめぢ野」
- 標茅が原。下野国の歌枕。
- 「そうけ野」
- どこの野か不明。名前の響きのおもしろさで挙げたものか。
解説
地名尽くしの段では、作者が名前の響きに興味を示す例がしばしば見られる。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、311頁(コマ158)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日