枕草子 第191段 類聚的章段
物語は
物語として、住吉、宇津保の類、殿移り、月待つ女、交野の少将、梅壺の少将、人目、国譲り、埋もれ木、道心すすむる松が枝を挙げ、狛野の物語は古い蝙蝠扇を差し出す場面がおもしろいという。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
物語は。
住吉物語。宇津保物語の類。殿移り。月待つ女。交野の少将。梅壺の少将。人目。国譲り。埋もれ木。道心すすむる松が枝。狛野の物語は、古い蝙蝠扇を差し出して去って行ったところがおもしろいのである。
意訳
当時読まれていた物語の題名を並べた段である。住吉物語と宇津保物語は現存するが、そのほかの多くは今では失われ、題名だけが伝わる。平安時代にどれほど多くの物語が楽しまれていたかを伝える、貴重な記録である。
語釈・文法注
文法
- 「かはほり」
- 蝙蝠扇(かわほり)。紙を片面だけに張った扇。
- 「國ゆづり」
- 宇津保物語の巻名「国譲」と同じ名。ここでは独立した物語とも考えられる。
解説
ここに挙がる物語の多くは散逸しており、この段は物語史の資料としても重要である。『源氏物語』が挙がっていないのは、まだ成立していなかったか、作者が知らなかったためと考えられる。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、311頁(コマ158)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日