古典ライブラリー

枕草子 第179段 日記的章段

宮に初めて参りたるころ

作者が初めて中宮定子のもとに出仕したころの回想。恥ずかしさで夜だけ参上し、几帳の陰から中宮の美しい手を見て驚嘆する。雪の日に昼の参上を命じられ、大納言伊周の訪問に居合わせて親しく話しかけられ、身の置き所もない思いをする。中宮に「私を思うか」と問われて答えた折に、くしゃみが聞こえて嘘と疑われ、翌朝中宮から歌が届く。

  1. 1宮みや宮みやみやににに始はじ始はじはじめめめててて參まゐ參まゐまいりりりたるたるたるころころころ物もの物ものものののの耻はづ耻はづはずかしきかしきかしきことことこと數かず數かずかず知し知ししらららずずず。。。涙なみだ涙なみだなみだももも落お落おおちちちぬぬぬべけれべけれべければばば、、、よるよるよるよるよるよる參まゐ參まゐまいりりりててて三尺さんじやく三尺さんじやくさんじゃくののの御み御みみ几帳きちやう几帳きちやうきちょうのののうしろうしろうしろににに侍さぶら侍さぶらさぶらふふうににに、、、繪ゑ繪ゑえなどなどなど取と取ととりりり出い出いいでゝでゝでて見み見みみせせせさせさせさせ給たま給たまたまふふうだにだにだに手て手ててもももえええさしさしさし出い出いいづづずまじうまじうまじゅうわりなしわりなしわりなし。。。「「「これこれこれはははとととありありありかれかれかれはははかゝりかゝりかかり」」」などなどなどのたまはするのたまはするのたまわするににに、、、たかつきたかつきたかつきにににまゐりまゐりまいりたるたるたる大おほ大おほおおとのとのとのあぶらあぶらあぶらなれなれなればばば、、、髪かみ髪かみかみのののすぢすぢすじなどなどなどももも中々なかなか中々なかなかなかなか晝ひる晝ひるひるよりよりよりはははけせうけせうけしょうににに見み見みみえええてててまばゆけれまばゆけれまばゆけれどどど、、、念ねん念ねんねんじじじててて見み見みみなどなどなどすすす。。。いといといとつめたきつめたきつめたきころころころなれなれなればばばさしさしさし出い出いいださださださせせせ給たま給たまたまへへえるるる御おほん御おほんおん手て手ててのののわづかわづかわずかににに見み見みみゆるゆるゆるががが、、、いみじういみじういみじゅうにほひにほひにおいたるたるたる薄紅梅うすこうばい薄紅梅うすこうばいうすこうばいなるなるなるははは限かぎり限かぎりかぎりなくなくなくめでたしめでたしめでたしととと、、、見み見みみ知し知ししらららぬぬぬさとびさとびさとび心ここ心ここここちちちにににははは、、、いかゞいかゞいかがはははかゝるかゝるかかる人ひと人ひとひとこそこそこそ世よ世よよにににおはしましおはしましおわしましけれけれけれととと、、、驚おどろ驚おどろおどろかかかるゝるゝるるまでまでまでぞぞぞまもりまもりまもりまゐらするまゐらするまいらする。。。曉あかつき曉あかつきあかつきにににはははとくとくとくなどなどなど急いそ急いそいそがががるゝるゝるる。。。「「「葛城かづらき葛城かづらきかずらきののの神かみ神かみかみももも暫しば暫しばしばししし」」」などなどなど仰おほ仰おほおおせせせらるゝらるゝらるるををを、、、いかでいかでいかですぢかひすぢかひすじかいてててももも御覽ごらん御覽ごらんごらんぜぜぜむむんとてとてとてふしふしふしたれたれたればばば、、、御み御みみ格子かうし格子かうしこうしもももまゐらまゐらまいらずずず。。。「「「女官によくわん女官によくわんにょかん參まゐ參まゐまいりりりてててこれこれこれはなたはなたはなたせせせ給たま給たまたまへへえ」」」ととといふいふいうををを、、、女房にようばう女房にようばうにょうぼうきききてててはなつはなつはなつををを「「「待ま待ままててて」」」などなどなど仰おほ仰おほおおせせせらるれらるれらるればばば笑わら笑わらわらひひいてててかへりかへりかえりぬぬぬ。。。物もの物ものものなどなどなど問と問ととはははせせせ給たま給たまたまひひいのたまはするのたまはするのたまわするににに「「「久ひさ久ひさひさしうしうしゅうなりなりなりぬれぬれぬればばばおりおりおりまほしうまほしうまほしゅうなりなりなりぬぬぬらむらむらん。。。さささははははやはやはや」」」とてとてとて「「「よさりよさりよさりはははとくとくとく」」」ととと仰おほ仰おほおおせせせらるゝらるゝらるる。。。ゐざりゐざりいざり歸かへ歸かへかえるるるややや遲おそ遲おそおそきききとととあけあけあけちらしちらしちらしたるたるたるににに、、、雪ゆき雪ゆきゆきいといといとをかしをかしおかし。。。
  2. 2「「「今日けふ今日けふきょうははは晝ひる晝ひるひるつかたつかたつかた參まゐ參まゐまいれれれ。。。雪ゆき雪ゆきゆきにににくもりくもりくもりてててあらはあらはあらわにににもももあるあるあるまじまじまじ」」」などなどなど度々たびたび度々たびたびたびたび召め召めめせせせばばば、、、このこのこのつぼねつぼねつぼねあるじあるじあるじももも「「「さささのみのみのみややや籠こも籠こもこもりりり居ゐ居ゐい給たま給たまたまふふうらむらむらんとととするするする。。。いといといとあへなきあへなきあえなきまでまでまで御お御おおまへまへまえ許ゆる許ゆるゆるささされれれたるたるたるははは思おぼ思おぼおぼしめすしめすしめすやうやうようこそこそこそあらあらあらめめめ。。。思おも思おもおもふふうにににたがふたがふたがうはははにくきにくきにくきものものものぞぞぞ」」」ととと唯ただ唯ただただいそがしいそがしいそがしににに出いだ出いだいだせせせばばば、、、我われ我われわれにににもももあらあらあらぬぬぬ心ここ心ここここちちちすれすれすればばば參まゐ參まゐまいるるるもももいといといとぞぞぞ苦くる苦くるくるしきしきしき。。。火ひ火ひひたきたきたき屋や屋ややのののうへうへうえににに降ふ降ふふりりり積つ積つつみみみたるたるたるももも珍めづら珍めづらめずらしうしうしゅうをかしをかしおかし。。。御お御おおまへまへまえ近ちか近ちかちかくくくははは例れい例れいれいのののすびつすびつすびつののの火ひ火ひひこちたくこちたくこちたくおこしおこしおこしてててそれそれそれにににはははわざわざわざ人ひと人ひとひとももも居ゐ居ゐいずずず。。。宮みや宮みやみやははは沉ぢん沉ぢんじんののの御おほん御おほんおん火桶ひをけ火桶ひをけひおけののの梨繪なしゑ梨繪なしゑなしえしししたるたるたるににに向むか向むかむかひひいててておはしますおはしますおわします。。。上臈じやうらふ上臈じやうらふじょうろう御おほん御おほんおんまかなひまかなひまかないししし給たま給たまたまひひいけるけるけるまゝまゝままににに近ちか近ちかちかくくく侍さぶら侍さぶらさぶらふふう。。。次つぎ次つぎつぎののの間ま間ままにににながながながすびつすびつすびつにににまなくまなくまなく居ゐ居ゐいたるたるたる人々ひとびと人々ひとびとひとびと、、、からぎぬからぎぬからぎぬ着き着きき垂た垂たたれれれたるたるたる程ほど程ほどほどなりなりなり。。。安やす安やすやすらからからかなるなるなるををを見み見みみるるるももも羨うらやま羨うらやまうらやましくしくしく御おほん御おほんおん文ふみ文ふみふみはははとりとりとりつぎつぎつぎ立た立たたちちち居ゐ居ゐいふるまふふるまふふるまうさまさまさまなどなどなど、、、つゝましげつゝましげつつましげならならならずずず物もの物ものものいひいひいいゑゑえわらふわらふわらう。。。いついついつののの世よ世よよにににかかかさやうさやうさようにににまじらひまじらひまじらいならならならむむんととと思おも思おもおもふふうさへさへさへぞぞぞつゝましきつゝましきつつましき。。。あうあうおうよりよりよりててて三四人さんしにん三四人さんしにんさんしにん集つど集つどつどひひいててて繪ゑ繪ゑえなどなどなど見み見みみるるるもももありありあり。。。しばししばししばしありありありてててさきさきさき高たか高たかたこうううおふおふおう聲こゑ聲こゑこえすれすれすればばば、、、「「「殿との殿とのとの參まゐ參まゐまいらららせせせ給たま給たまたまふふうなりなりなり」」」とてとてとて散ち散ちちりりりたるたるたる物もの物ものものどもどもども取と取ととりりりやりやりやりなどなどなどするするするににに奧おく奧おくおくににに引ひ引ひひききき入い入いいりりりててて、、、さすがさすがさすがにににゆかしきゆかしきゆかしきなめりなめりなめりととと、、、御み御みみ几帳きちやう几帳きちやうきちょうのののほころびほころびほころびよりよりより僅わづか僅わづかわずかににに見み見みみ入い入いいれれれたりたりたり。。。大納言だいなごん大納言だいなごんだいなごんののの參まゐ參まゐまいらららせせせ給たま給たまたまふふうなりなりなりけりけりけり。。。御おほん御おほんおん直衣なほし直衣なほしのうし指さし指さしさし貫ぬき貫ぬきぬきののの紫むらさき紫むらさきむらさきののの色いろ色いろいろ雪ゆき雪ゆきゆきにににはえはえはえてててをかしをかしおかし。。。柱はしら柱はしらはしらのののもともともとににに居ゐ居ゐい給たま給たまたまひひいててて、、、「「「きのふきのふきのうけふけふけう物もの物ものものいみいみいみにてにてにて侍はべ侍はべはべれれれどどど、、、雪ゆき雪ゆきゆきのののいたくいたくいたく降ふ降ふふりりりててて侍はべ侍はべはべれれればばば、、、覺束おぼつか覺束おぼつかおぼつかなさなさなさににに」」」などなどなどのたまふのたまふのたまう。。。「「「道みち道みちみちもももなしなしなしととと思おも思おもおもひひいけるけるけるにににいかでいかでいかでかかか」」」とととぞぞぞ御おほん御おほんおんいらへいらへいらえあああなるなるなる。。。うちうちうち笑わら笑わらわらひひい給たま給たまたまひひいててて「「「あはれあはれあわれととともももややや御覽ごらん御覽ごらんごらんずるずるずるとてとてとて」」」などなどなどのたまふのたまふのたまう御おほん御おほんおんありさまありさまありさまははは、、、これこれこれよりよりよりははは何事なにごと何事なにごとなにごとかかかまさらまさらまさらむむん。。。物語ものがたり物語ものがたりものがたりにににいみじういみじういみじゅう口くち口くちくちにににまかせまかせまかせててて言い言いいひひいたるたるたる事こと事ことことどもどもどもたがはたがはたがわざざざめりめりめりととと覺おぼ覺おぼおぼゆゆゆ。。。宮みや宮みやみやははは白しろ白しろしろききき御おほん御おほんおんぞぞぞどもどもどもににに紅くれなゐ紅くれなゐくれないののの唐から唐からから綾あや綾あやあや二ふた二ふたふたつつつ、、、白しろ白しろしろききき唐から唐からから綾あや綾あやあやととと奉たてまつ奉たてまつたてまつりりりたるたるたる。。。御み御みみぐしぐしぐしのののかゝらかゝらかからせせせ給たま給たまたまふるふるうるなどなどなど繪ゑ繪ゑえににに書か書かかきききたるたるたるをををこそこそこそかゝるかゝるかかることことことははは見み見みみるるるにににうつゝうつゝうつつにににはははまだまだまだ知し知ししらららぬぬぬををを夢ゆめ夢ゆめゆめののの心ここ心ここここちちちぞぞぞするするする。。。
  3. 3女房にようばう女房にようばうにょうぼうととと物もの物ものものいひいひいいたはぶれたはぶれたわぶれなどなどなどししし給たま給たまたまふふうををを、、、いらへいらへいらえいさゝかいさゝかいささか耻はづ耻はづはずかしかしかしとととももも思おも思おもおもひひいたらたらたらずずず聞きこ聞きこきこえええ返かへ返かへかえししし、、、空言そらごと空言そらごとそらごとなどなどなどののの給たま給たまたまひひいかくるかくるかくるをををあらがひあらがひあらがい論ろん論ろんろんじじじなどなどなど聞きこ聞きこきこゆるゆるゆるははは、、、目め目めめもももあやあやあやににに淺あさ淺あさあさましきましきましきまでまでまであいなくあいなくあいなく面おもて面おもておもてぞぞぞ赤あか赤あかあかむむむややや。。。御おほん御おほんおんくだものくだものくだもの參まゐ參まゐまいりりりなどなどなどしししててて御お御おお前まへ前まへまえにににももも參まゐ參まゐまいらららせせせ給たま給たまたまふふう。。。「「「御み御みみ几帳きちやう几帳きちやうきちょうのののうしろうしろうしろなるなるなるははは誰たれ誰たれたれぞぞぞ」」」ととと問と問ととひひい給たま給たまたまふふうなるなるなるべしべしべし。。。さささぞぞぞととと申まう申まうもうすすすにににこそこそこそあらあらあらめめめ、、、立た立たたちちちててて坐おは坐おはおわするするするををを、、、外ほか外ほかほかへへへにににやややあらあらあらむむんととと思おも思おもおもふふうににに、、、いといといと近ちか近ちかちこううう居ゐ居ゐい給たま給たまたまひひいててて物もの物ものものなどなどなどのたまふのたまふのたまう。。。まだまだまだ參まゐ參まゐまいらららざりざりざりししし時とき時ときとき聞き聞ききききき置お置おおききき給たま給たまたまひひいけるけるける事こと事ことことなどなどなどのたまふのたまふのたまう。。。「「「まことにまことにまことにさささありありありししし」」」などなどなどのたまふのたまふのたまうににに、、、御み御みみ几帳きちやう几帳きちやうきちょう隔へだ隔へだへだてゝてゝててよそよそよそににに見み見みみやりやりやり奉たてまつ奉たてまつたてまつるるるだにだにだに耻はづか耻はづかはずかしかりしかりしかりつるつるつるををを、、、いといといとあさましうあさましうあさましゅうさしさしさし向むか向むかむかひひい聞きこ聞きこきこえええたるたるたる心ここ心ここここちちちうつゝうつゝうつつともともともおぼえおぼえおぼえずずず。。。行幸ぎやうかう行幸ぎやうかうぎょうこうなどなどなど見み見みみるるるににに、、、車くるま車くるまくるまのののかたかたかたにににいさゝかいさゝかいささか見み見みみおこせおこせおこせ給たま給たまたまふふうははは下簾したすだれ下簾したすだれしたすだれひきひきひきつくろひつくろひつくろい、、、すきすきすきかげかげかげもももやややととと扇あふぎ扇あふぎおうぎをををさしさしさし隱かく隱かくかくすすす。。。猶なほ猶なほなおいといといと我わ我わわががが心こころ心こころこころながらながらながらもももおほけなくおほけなくおおけなく、、、いかでいかでいかで立た立たたちちち出い出いいでででにににしししぞぞぞととと汗あせ汗あせあせあえあえあえててていみじきいみじきいみじきににに何事なにごと何事なにごとなにごとをををかかか聞きこ聞きこきこえええむむん、、、かしこきかしこきかしこきかげかげかげととと捧ささ捧ささささげげげたるたるたる扇あふぎ扇あふぎおうぎをををさへさへさへ取と取ととりりり給たま給たまたまへへえるるるににに振ふ振ふふりりりかくかくかくべきべきべき髪かみ髪かみかみのののあやしさあやしさあやしささへさへさへ思おも思おもおもふふうににに、、、すべてすべてすべて誠まこと誠まことまことにににさるさるさる氣色けしき氣色けしきけしきやややつきつきつきてててこそこそこそ見み見みみゆゆゆらめらめらめ。。。疾と疾ととくくく立た立たたちちち給たま給たまたまへへえなどなどなど思おも思おもおもへへえどどど扇あふぎ扇あふぎおうぎををを手て手ててまさぐりまさぐりまさぐりにににしししててて「「「繪ゑ繪ゑえははは誰た誰たたががが書か書かかきききたるたるたるぞぞぞ」」」などなどなどのたまひのたまひのたまいててて、、、とみにとみにとみにももも立た立たたちちち給たま給たまたまははわねねねばばば、、、袖そで袖そでそでをををおしおしおしあてゝあてゝあててうつぶしうつぶしうつぶし居ゐ居ゐいたるたるたるももも、、、からぎぬからぎぬからぎぬにににしろいしろいしろいものものものうつりうつりうつりてててまだらまだらまだらにににならならならむむんかしかしかし。。。久ひさ久ひさひさしうしうしゅう居ゐ居ゐい給たま給たまたまひひいたりたりたりつるつるつるをををろんなうろんなうろんのう苦くる苦くるくるしししととと思おも思おもおもふふうらむらむらんととと心得こころえ心得こころえこころえさせさせさせ給たま給たまたまへへえるるるににに、、、ややや、、、「「「これこれこれ見み見みみ給たま給たまたまへへえ。。。此これ此これこれはははたたたががが書か書かかきききたるたるたるぞぞぞ」」」ととと聞きこ聞きこきこえええさせさせさせ給たま給たまたまふふうををを、、、嬉うれ嬉うれうれしししととと思おも思おもおもふふうににに「「「賜たま賜たまたまひひいててて見み見みみ侍はべ侍はべはべらららむむん」」」ととと申まう申まうもうししし給たま給たまたまへへえばばば「「「猶なほ猶なほなおこゝこゝここへへへ」」」とととのたまはすれのたまはすれのたまわすればばば、、、「「「人ひと人ひとひとをををとらへとらへとらえてててたてたてたて侍はべ侍はべはべらららぬぬぬなりなりなり」」」とととのたまふのたまふのたまう。。。いといといといまめかしういまめかしういまめかしゅう、、、身み身みみのののほどほどほど年とし年としとしにににははは合あ合ああははわずずず、、、かたはらいたしかたはらいたしかたわらいたし。。。
  4. 4人ひと人ひとひとのののさうがなさうがなそうがな書か書かかきききたるたるたる草紙さうし草紙さうしそうし取と取ととりりり出い出いいでゝでゝでて御覽ごらん御覽ごらんごらんずずず。。。「「「誰た誰たたがががにににかかかあらあらあらむむん、、、かれかれかれににに見み見みみせせせさせさせさせ給たま給たまたまへへえ。。。それそれそれぞぞぞ世よ世よよにににあるあるある人ひと人ひとひとののの手て手ててははは見み見みみ知し知ししりりりててて侍はべ侍はべはべらららむむん」」」ととと、、、あやしきあやしきあやしき事こと事ことことどもどもどもをををたゞたゞただいらへいらへいらえさせさせさせむむんとととののの給たま給たまたまふふう。。。一所ひとところ一所ひとところひとところだにだにだにあるあるあるににに又また又またまたさきさきさきうちうちうちおはせおはせおわせててて同おな同おなおなじじじ直衣なほし直衣なほしのうしののの參まゐ參まゐまいらららせせせ給たま給たまたまひひいててて、、、これこれこれははは今いま今いまいま少すこ少すこすこしししはなやぎはなやぎはなやぎさるがうさるがうさるごうどどど言こと言ことことなどなどなどうちうちうちししし、、、譽ほ譽ほほめめめ笑わら笑わらわらひひい興きよう興きようきょうじじじ、、、我われ我われわれもももなにがしなにがしなにがしがががとととあるあるある事こと事ことことかゝるかゝるかかる事こと事ことことなどなどなど殿上人てんじやうびと殿上人てんじやうびとてんじょうびとのののうへうへうえなどなどなど申まう申まうもうすすすををを聞き聞ききけけけばばば、、、猶なほ猶なほなおいといといと變化へんげ變化へんげへんげののの物もの物ものもの天人てんにん天人てんにんてんにんなどなどなどのののおりおりおりきききたるたるたるにににやややととと覺おぼ覺おぼおぼえええてててしししををを、、、侍さぶら侍さぶらさぶらひひい馴な馴ななれれれ、、、日ひ日ひひごろごろごろ過す過すすぐれぐれぐれはははいといといとさしもさしもさしもなきなきなき業わざ業わざわざにににこそこそこそありありありけれけれけれ。。。かくかくかく見み見みみるるる人々ひとびと人々ひとびとひとびとももも家いへ家いへいえのののうちうちうち出い出いいでででそめそめそめけむけむけん程ほど程ほどほどはははさささこそこそこそははは覺おぼ覺おぼおぼえええけめけめけめどどど、、、かくかくかくしししもてもてもて行ゆ行ゆゆくくくにににおのづからおのづからおのずからおもおもおも馴な馴ななれれれぬぬぬべしべしべし。。。
  5. 5物もの物ものものなどなどなど仰おほ仰おほおおせせせられられられててて「「「我われ我われわれをををばばば思おも思おもおもふふうややや」」」ととと問と問ととはははせせせ給たま給たまたまふふう。。。御おほん御おほんおんいらへいらへいらえににに「「「いかにいかにいかにかかかははは」」」ととと啓けい啓けいけいするするするににに合あは合あはあわせせせててて、、、臺盤所だいばんどころ臺盤所だいばんどころだいばんどころのののかたかたかたににに、、、はなはなはなをををたかくたかくたかくひひひたれたれたればばば、、、「「「あなあなあな心こころ心こころこころううう。。。そらごとそらごとそらごとするするするなりなりなりけりけりけり。。。よしよしよしよしよしよし」」」とてとてとていらいらいらせせせ給たま給たまたまひひいぬぬぬ。。。いかでいかでいかでかかかそらごとそらごとそらごとにににはははあらあらあらむむん。。。よろしうよろしうよろしゅうだにだにだに思おも思おもおもひひいきこえきこえきこえさすさすさすべきべきべき事こと事ことことかかかははは。。。はなはなはなこそこそこそはははそらごとそらごとそらごとしししけれけれけれとととおぼゆおぼゆおぼゆ。。。さてさてさてもももたれたれたれかかかかくかくかくにくきにくきにくきわざわざわざしししつつつらむらむらんととと、、、大おほ大おほおおかたかたかた心こころ心こころこころづきづきずきなしなしなしととと覺おぼ覺おぼおぼゆれゆれゆればばば、、、わがわがわがさるさるさる折をり折をりおりもももおしおしおしひしぎひしぎひしぎかへしかへしかへしてててあるあるあるををを、、、ましてましてましてにくしにくしにくしととと思おも思おもおもへへえどどど、、、まだまだまだうひうひしけれうひうひしけれういういしければばばともかくもともかくもともかくも啓けい啓けいけいしししなほさなほさなおさででで、、、明あ明ああけけけぬれぬれぬればばばおりおりおりたるたるたるすなはちすなはちすなわち淺綠あさみどり淺綠あさみどりあさみどりなるなるなるうすえふうすえふうすようにににえんえんえんなるなるなる文ふみ文ふみふみをををもてもてもてきききたりたりたり。。。見み見みみれれればばば、、、
  6. 6「「「いかにいかにいかにしししててていかにいかにいかに知し知ししらららましましましいつはりいつはりいつわりをををそらそらそらにににたゞすたゞすただすののの神かみ神かみかみなかりなかりなかりせせせばばば
  7. 7とととなむなむなん、、、御み御みみけしきけしきけしきははは」」」とととあるあるあるにににめでたくめでたくめでたくももも口くち口くちくちをしくをしくおしくももも思おも思おもおもひひい亂みだ亂みだみだるゝるゝるるににに、、、なほなほなおよべよべよべののの人ひと人ひとひとぞぞぞたづねたづねたずね聞き聞ききかかかまほしきまほしきまほしき。。。
  8. 8「「「うすきうすきうすきこそこそこそそれそれそれにににもももよらよらよらぬぬぬはなはなはなゆゑゆゑゆえにににうきうきうき身み身みみのののほどほどほどををを知し知ししるるるぞぞぞわびしきわびしきわびしき
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引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

中宮様のもとに初めて出仕したころは、何かにつけて恥ずかしいことが数知れず、涙も落ちてしまいそうなので、毎晩参上して、三尺の御几帳の後ろに控えていると、中宮様が絵などを取り出してお見せくださるのにさえ、手も差し出せそうになく、どうしようもない。「これはこうで、あれはこうなのよ」などとおっしゃるが、高坏にともした灯火なので、髪の筋なども、かえって昼よりもはっきりと見えて恥ずかしいけれど、我慢して見たりする。たいそう寒いころなので、お差し出しになったお手が袖口からわずかに見えるのが、たいそうつややかな薄紅梅色なのは、この上なくすばらしいと、見慣れない里人の気持ちでは、どうしてこんな方がこの世にいらっしゃったのだろうと、目を見張るほどに見つめ申し上げる。明け方には、早く局に下がろうと気がせく。「葛城の神も、もう少しいなさい」などとおっしゃるので、何とかして斜めからでもご覧に入れまいと、うつ伏していたので、御格子もお上げしない。女官が参上して、「これをお開けください」と言うのを、女房が来て開けようとするのを、中宮様が「待て」などとおっしゃるので、女官は笑って帰ってしまった。いろいろとお尋ねになり、お話しになるうちに、「長くいたので、下がりたくなったでしょう。それなら早く」とおっしゃって、「夜になったら早くいらっしゃい」とおっしゃる。いざって退出するやいなや、女房たちが格子をあけ放つと、雪がたいそう美しい。

「今日は昼ごろに参上しなさい。雪で曇っていて、はっきり見えることもないでしょう」などと、たびたびお召しになるので、この局の主も、「そんなに引きこもってばかりいてよいものですか。こんなにあっけなく御前への出入りを許されたのは、何かお考えがあるからでしょう。人の好意に背くのは憎まれますよ」と、ひたすらせきたてて送り出すので、我を忘れたような気持ちで参上するのもたいそうつらい。火焼屋の屋根に降り積もった雪も珍しく趣がある。御前近くは、いつものように炭櫃の火をたくさんおこして、そこには誰も座っていない。中宮様は、沈の木の御火桶の梨絵を施したものに向かっていらっしゃる。上臈の女房がお世話をなさるままに、近くに控えている。次の間で、長炭櫃にすき間なく座っている女房たちは、唐衣を肩から垂らすように着ている。くつろいでいるのを見るのもうらやましく、手紙を取り次いだり、立ったり座ったりする様子なども、気後れした様子もなく、話をしたり笑ったりしている。いつになったらあのように人と交われるようになるだろうと思うのさえ気が引ける。奥の方に寄って、三、四人集まって絵などを見ている者もいる。しばらくして、先払いの声が高く聞こえるので、「殿が参上なさるのです」と言って、散らかっていた物などを片づけたりしているので、奥に引っ込んで、それでもやはり見たいのだろう、御几帳のすき間から少しのぞいて見た。大納言殿が参上なさったのであった。御直衣と指貫の紫の色が雪に映えて美しい。柱のもとにお座りになって、「昨日今日は物忌でございましたが、雪がひどく降りましたので、気がかりで」などとおっしゃる。中宮様は「道もないと思っていたのに、どうして」とお答えになるようだ。大納言殿はお笑いになって、「あはれとご覧になるかと思いまして」などとおっしゃるご様子は、これ以上に何がまさるだろう。物語でたいそう口にまかせてほめているようなことも、違わないようだと思われる。中宮様は白いお召し物を重ねた上に紅の唐綾を二枚、白い唐綾をお召しになっている。御髪がかかっていらっしゃるご様子など、絵に描いたのでこそこういうことは見るけれど、現実にはまだ知らなかったので、夢のような気持ちがする。

大納言殿が女房と話をしたり冗談を言ったりなさるのを、女房たちは少しも恥ずかしいとも思わずにお答え申し上げ、作り話などをおっしゃるのに、言い返して論じたりするのは、目もくらむほどで、あきれるほどにわけもなく私の顔が赤くなる。大納言殿は果物を召し上がったりして、中宮様にもお勧めなさる。「御几帳の後ろにいるのは誰ですか」とお尋ねになったのだろう。誰それですと申し上げたのだろうか、立ってこちらへいらっしゃるのを、ほかの所へ行かれるのだろうかと思っていると、たいそう近くにお座りになって、話などをなさる。私がまだ出仕していなかったころ聞いておかれた私の噂などをおっしゃる。「本当にそうだったのですか」などとおっしゃるので、御几帳を隔てて遠くから拝見しているのでさえ恥ずかしかったのに、たいそうあきれるほどに向かい合い申し上げている気持ちは、現実とも思われない。行幸などを見物するときに、大納言殿が私たちの車の方を少しでもご覧になると、下簾を引き整え、透き影も見えはしないかと扇で顔を隠すほどなのに。やはりたいそう我ながら身の程知らずにも、どうして宮仕えに出てしまったのだろうと汗が流れてたまらないのに、何を申し上げられよう。頼みの陰として顔の前に捧げていた扇までお取りになったので、顔にかけて隠すはずの髪の見苦しさまで思うにつけても、すべて本当にそういう様子がありありと見えていることだろう。早くお立ちになってほしいなどと思うけれど、扇を手でもてあそんで、「この絵は誰が描いたのですか」などとおっしゃって、すぐにはお立ちにならないので、袖を顔に押し当ててうつぶしているのも、唐衣におしろいがついて、まだらになっていることだろう。長くお座りになっているのを、きっと苦しいと思っているだろうと中宮様がお察しになったのだろうか、「これをご覧なさい。これは誰が書いたものでしょう」と大納言殿にお声をかけなさるので、うれしいと思っていると、「いただいて拝見しましょう」と申し上げなさるので、「やはりこちらへ」とおっしゃると、「この人がつかまえて立たせてくれないのです」とおっしゃる。たいそう当世風で、私の身分や年齢には似つかわしくなく、いたたまれない。

中宮様は、誰かが草仮名で書いた草子を取り出してご覧になる。大納言殿は「誰の筆跡でしょうか。あの人にお見せなさい。あの人こそ、世の中の人の筆跡は見知っておりましょう」と、妙なことを言って、ただ私に答えさせようとなさる。お一人でさえいらっしゃるのに、また先払いをさせて、同じ直衣姿の方が参上なさって、この方はもう少しはなやかで、冗談などを言い、ほめたり笑ったり興じたりして、「自分も誰それにこういうことがあった、ああいうことがあった」などと殿上人の噂などを申し上げるのを聞くと、やはりたいそう、変化の者か天人などが降りて来たのだろうかと思われたが、お仕えに慣れ、日数が過ぎると、たいしたこともないことであった。このように見ている女房たちも、家から初めて出仕したころは、そのように思ったのだろうけれど、こうして過ごしているうちに、自然と慣れてしまうのだろう。

中宮様がお話などをなさって、「私のことを思っているか」とお尋ねになる。そのお答えに、「どうして思わないことがありましょう」と申し上げるのに合わせて、台盤所の方で、誰かがくしゃみを高くしたので、「まあ情けない。嘘を言ったのね。もういいわ」とおっしゃって、奥へお入りになってしまった。どうして嘘であろうか。並一通りにお思い申し上げることでさえあろうか。くしゃみこそが嘘をついたのだと思われる。それにしても、誰がこんな憎らしいことをしたのだろうと、すっかり不愉快に思われるので、自分がくしゃみをしそうな折でも押さえこんで我慢しているのに、まして憎らしいと思うけれど、まだ新参で不慣れなので、どうとも申し開きをしないでいるうちに、夜が明けたので局に下がると、すぐに浅緑の薄様の紙に、優美な手紙を持って来た。見ると、

どうやって、どのように知ることができようか。嘘を、空からただす糺の神がいなかったならば。

という中宮様のお気持ちです」とあるので、すばらしくも、残念にも思い乱れるにつけても、やはり昨夜くしゃみをした人を探し出して問いただしたい。

くしゃみの程度によって、思いの深さが薄いとされるのなら仕方ありませんが、それにもよらないくしゃみのせいで、つらいわが身のほどを知るのは悲しいことです。

やはりこれだけは、申し開きをしてくださいませ。式の神も自然と、たいそう恐ろしいことでございます」と書いて差し上げた後も、いやなことに、折もあろうに、どうしてあんなことがあったのだろう。たいそうおもしろい。

意訳

作者が中宮定子のもとに初めて出仕したころを、後年に振り返った名高い段である。恥ずかしさのあまり夜にしか参上できず、灯火の下で几帳の陰から絵を見せる中宮の手を見て、その美しさに息をのむ。昼の参上を命じられて伊周の訪問に居合わせ、親しく話しかけられ、扇まで取られて身の置き所もない。中宮も伊周も、新参の作者を気にかけ、早く打ち解けさせようと心を配っている。最後のくしゃみの話は、「私を思うか」という問いに答えたとたんに、誰かのくしゃみで嘘とされてしまったという失敗談である。翌朝届いた中宮の歌に、作者は必死に弁明の歌を返す。後に宮廷で才気を発揮する作者の、初々しい姿が描かれている。

語釈・文法注

大納言殿
藤原伊周。中宮定子の兄。当時は権大納言で、容姿・才学にすぐれていた。
同じ直衣の人
藤原道隆(中宮の父、関白)とされる。三巻本では「殿」とあり、関白道隆の来訪を描く。

文法

「たかつきにまゐりたる大とのあぶら」
高坏を逆さにして灯台にし、ともした灯火。
「葛城の神」
昼の明るさを恥じて夜しか働かなかったという葛城の一言主神の伝説から、夜明けに下がりたがる作者をからかった言葉。
「さうがな」
草仮名。万葉仮名を草書体にくずしたもの。
「はなをたかくひたれば」
くしゃみは、言ったことが嘘である兆しとされた。
「たゞすの神」
糺の神。下鴨神社の糺の森の神。「ただす」(正す)を掛ける。
「しきの神」
式の神。陰陽師が使う鬼神。くしゃみを嘘のしるしとする俗信を、陰陽道の神になぞらえた。

和歌

いかにしていかに知らましいつはりをそらにただすの神なかりせば

詠者
中宮定子
状況
「私を思うか」と問われて作者が答えたとき、くしゃみが聞こえたのを受けて、翌朝届けた歌。

修辞

掛詞
「ただす」に「糺(ただす)の神」と「正す」を掛け、「そら」に「空」と「虚言」の意を響かせる。

うすきこそそれにもよらぬはなゆゑにうき身のほどを知るぞわびしき

詠者
清少納言
状況
中宮の歌への返歌。くしゃみのせいで、自分の思いが嘘とされた悲しさを訴えた。

修辞

掛詞
「はな」に「鼻(くしゃみ)」と「花」を掛ける。「薄き濃き」は花の色の縁で、思いの深さを表す。

解説

『枕草子』の中でも、作者自身の出仕当初の姿を描いた最も重要な段の一つである。後年の自信に満ちた作者とは対照的な、初々しく恥じらう姿が生き生きと描かれている。

中宮定子の美しさと心遣い、伊周の華やかさが、新参者の目を通して描かれることで、いっそう輝いて見える。中関白家の全盛期の一コマとして、作者が懐かしく回想したものであろう。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、303–306頁(コマ154–156)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日