枕草子 第169段 類聚的章段
遠くて近きもの
遠いようで近いものとして、極楽、船旅の道、男女の仲を挙げる。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
遠いようで近いもの。
極楽。船の旅路。男女の仲。
意訳
遠く隔たっているように見えて、実は近いものを三つ挙げた短い段である。極楽ははるか西方にあるとされるが、念仏一つで往生できる。船の旅は遠く見えても、風に乗ればあっという間に着く。そして男女の仲は、他人どうしでありながら、たちまち近しい間柄になる。
語釈・文法注
文法
- 「極樂」
- 『観無量寿経』に「阿弥陀仏、此を去ること遠からず」とあることによる。
- 「舟い道」
- 舟の道、船旅のこと。
解説
『枕草子』の中でも最も短い段の一つであるが、「男女の中」で締めくくる構成が印象的で、よく知られている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、299頁(コマ152)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日