枕草子 第167段 類聚的章段
たのもしげなきもの
頼りにならないものとして、気が短く忘れっぽい人、夜離れがちな婿、白髪頭の六位、嘘つきなのに大事を引き受けた人、一番に勝った双六、病が長引く老人、風の強い日に帆を上げた船、不断経を挙げる。
場面イラスト(準備中)
- 1たのもしげたのもしげたのもしげなきなきなきものものもの題
- 2心心こころみじかくみじかくみじかくててて人人ひと忘忘わすれれれがちがちがちなるなるなる。。。むこむこむこののの夜夜よがれがれがれがちがちがちなるなるなる。。。六位六位ろくいののの頭頭かしらしろきしろきしろき。。。そらごとそらごとそらごとするするする人人ひとのののさすがさすがさすがににに人人ひとのののことことことなしがほなしがほなしがおににに大事大事だいじうけうけうけたるたるたる。。。一番一番いちばんににに勝勝かつつつすぐろくすぐろくすぐろく。。。六七八十六七八十ろくしちはちじゅうなるなるなる人人ひとののの心心ここちちちあしうあしうあしゅうしししててて日日ひごろごろごろににになりなりなりぬるぬるぬる。。。風風かぜ吹吹ふくくくににに帆帆ほあげあげあげたるたるたる船船ふね。。。經經きょうははは不斷經不斷經ふだんきょう。。。
現代語訳
頼りにならないもの。
気が短くて、人を忘れがちな人。婿が夜離れがちなの。六位の蔵人で頭の白い人。嘘をつく人が、それでも人の事をうまくやってみせるという顔で大事を引き受けたの。最初の一番に勝った双六。六十、七十、八十になる人が、気分が悪くて何日もたったの。風が吹いているのに帆を上げた船。経では不断経。
意訳
先行きに不安を感じさせるものを並べている。移り気な人、通いが途絶えがちな婿、年を取っても昇進できない六位、口先だけの人、初戦だけ勝った双六。老人の長患いや強風の中の船も、どうなるかわからない危うさを持つ。最後の不断経は、絶え間なく読み続けるはずが途切れがちになることを皮肉ったものであろう。
語釈・文法注
文法
- 「夜がれ」
- 夜離れ。男が女のもとに通って来なくなること。
- 「不斷經」
- 昼夜絶え間なく経を読み続けること。交代で読むため、かえって当てにならないとする。
解説
人間関係から天候、仏事まで、さまざまな「頼りなさ」を集めた段である。「一番に勝つすぐろく」は、最初に勝っても最後までわからないという勝負のはかなさをとらえている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、299頁(コマ152)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日