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枕草子 第152段 類聚的章段

名おそろしきもの

名前が恐ろしいものとして、青淵、谷の洞、鰭板、鉄、土塊、雷、疾風、不祥雲、鉾星、狼、牛挟め、牢、牢の長、いにすし、縄筵、強盗、肘笠雨、蛇苺、生霊、鬼野老、鬼蕨、茨、枳殻、炒炭、牡丹、牛鬼などを挙げる。

  1. 1名な名ななおそろしきおそろしきおそろしきものものもの題
  2. 2靑淵あをふち靑淵あをふちあおふち、、、谷たに谷たにたにのののほらほらほら、、、はたはたはた板いた板いたいた、、、くろがねくろがねくろがね、、、つちぐれつちぐれつちぐれ。。。いかづちいかづちいかずちははは名な名ななのみのみのみならならならずずずいみじういみじういみじゅうおそろしおそろしおそろし。。。はやちはやちはやち、、、ふそうふそうふそう雲ぐも雲ぐもぐも、、、ほこぼしほこぼしほこぼし、、、おほかみおほかみおおかみ、、、牛うし牛うしうしはさめはさめわさめ、、、らうらうろう、、、ろうろうろうのののをさをさおさ。。。いにすしいにすしいにすし、、、それそれそれももも名な名ななのみのみのみならならならずずず見み見みみるるるもももおそろしおそろしおそろし。。。繩筵なはむしろ繩筵なはむしろなわむしろ。。。强盜がうだう强盜がうだうごうどう又また又またまたよろづよろづよろずにににおそろしおそろしおそろし。。。ひぢかさひぢかさひじかさ雨あめ雨あめあめ、、、くちなはくちなはくちなわいちごいちごいちご、、、いきすだまいきすだまいきすだま、、、おにおにおにどころどころどころ、、、おにおにおにわらびわらびわらび、、、うばらうばらうばら、、、からたちからたちからたち、、、いりずみいりずみいりずみ、、、ぼうたんぼうたんぼうたん。。。うしうしうしおにおにおに。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

名前が恐ろしいもの。

青淵。谷の洞穴。鰭板。鉄。土塊。雷は、名前だけでなく、本当にたいそう恐ろしい。疾風。不祥雲。鉾星。狼。牛挟め。牢。牢の長。いにすし、これも名前だけでなく、見るのも恐ろしい。縄筵。強盗は、また何もかも恐ろしい。肘笠雨。蛇苺。生霊。鬼野老。鬼蕨。茨。枳殻。炒炭。牡丹。牛鬼。

意訳

名前の響きや字面が恐ろしげなものを集めた段である。「鬼」「牢」「強盗」などのように実際に恐ろしいものもあれば、蛇苺や牡丹のように、実物は恐ろしくないのに名前だけがこわそうなものも交じっている。言葉そのものに敏感な作者の感覚がよく表れている。

語釈・文法注

文法

「はた板」
鰭板(はたいた)。塀や羽目に張る板。
「ほこぼし」
鉾星。彗星の一種とされる。
「いにすし」
意味不明。鮨の一種とする説などがある。
「ひぢかさ雨」
肘笠雨。急な雨で、笠の代わりに肘を頭にかざして走るようなにわか雨。
「いきすだま」
生霊。生きている人の魂が抜け出して、人にとりつくもの。

解説

次段の「見るにことなることなきものゝ文字にかきてことごとしきもの」とともに、言葉の音や文字の印象に注目した段である。作者の言語感覚の鋭さを示している。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、290頁(コマ148)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日