枕草子 第151段 類聚的章段
人ばへするもの
人前で調子に乗るものとして、甘やかされた子、咳払い、親が来たのをいいことに物を引っ張り出していたずらをする近所の子を挙げ、それを強く叱らない親も憎らしいという。
場面イラスト(準備中)
- 1ひとひとひとばえばえばえするするするものものもの題
- 2殊殊ことなるなるなる事事ことなきなきなき人人ひとののの子子このののかなしくかなしくかなしくしししならはならはならわされされされたるたるたる。。。しはぶきしはぶきしわぶき、、、耻耻はずかしきかしきかしき人人ひとににに物物ものいはいはいわむむんとととするするするにににもももまづまづまずさきさきさきにににたつたつたつ。。。あなたあなたあなたこなたこなたこなたににに住住すむむむ人人ひとののの子子こどもどもどもののの四四よつつつ五五いつつつつなるなるなるはははあやにくあやにくあやにくだちだちだちててて、、、物物ものなどなどなど取取とりりりちらしちらしちらしててて損損そこなふふうををを、、、常常つねははは引引ひきききはらはらはられれれなどなどなど制制せいせせせられられられててて、、、心心こころのののまゝまゝままにににもももえええあらあらあらぬぬぬががが、、、親親おやのののきききたるたるたる所所ところえええてててゆかしかりゆかしかりゆかしかりけるけるける物物ものををを、、、「「「あれあれあれ見見みせせせよよよややや」」」母母ははなどなどなど引引ひきゆるがすゆるがすゆるがすににに、、、おとなゝどおとなゝどおとななど物物ものいふいふいうとてとてとて、、、ふとふとふとももも聞聞きききき入入いれれれねねねばばば、、、手手てづからづからずから引引ひきききさがしさがしさがし出出いでゝでゝでて見見みるるるこそこそこそいといといとにくけれにくけれにくけれ。。。それそれそれををを「「「まさなまさなまさな」」」とととばかりばかりばかりうちうちうち言言いひひいててて取取とりりり隱隱かくさささででで「「「さささなななせせせそそそ。。。そこなふそこなふそこなうななな」」」とととばかりばかりばかりゑみゑみえみててていふいふいう親親おやもももにくしにくしにくし。。。われわれわれえええはしたなくはしたなくはしたなくもももいはいはいわででで見見みるるるこそこそこそ心心こころもとなけれもとなけれもとなけれ。。。
現代語訳
人前で調子に乗るもの。
たいしたこともない身分の人の子で、かわいがられて甘やかされて育ったの。咳払い。気後れするような立派な人に物を言おうとするときにも、まず先に出てしまう。あちらこちらに住んでいる人の子どもで、四つ五つになる子は、いたずら盛りで、物などを取り散らかして壊すのを、ふだんは引っ張られたりして制止されて、思うままにもできないでいるのが、親が来たのをいい機会にして、見たかった物を、「あれを見せてよ、ねえ」と母親などを揺さぶるけれど、大人たちは話をしていて、すぐには聞き入れないので、自分で引っ張り出して見ているのは、たいそう憎らしい。それを「いけません」とだけ言って、取り上げて隠しもせず、「そんなことをしてはいけません。壊さないでね」とだけ、笑いながら言う親も憎らしい。私は、きつく叱ることもできずに見ているのは、気が気でない。
意訳
「人ばへ」は、人がいるとかえって調子に乗ってはしゃぐこと。親が来たのをいいことにいたずらを始める子どもと、それを笑って見逃す親への苛立ちが、生き生きと描かれる。自分の物を壊されそうなのに、よその子だから強く叱れず、はらはらしながら見ている作者の姿が目に浮かぶ。咳払いが「人ばへ」の例に挙がっているのもおもしろい。
語釈・文法注
文法
- 「ひとばえ」
- 人映え。人前で、かえって調子に乗ってふざけること。
- 「あやにくだちて」
- わがままを言い出して、いたずら盛りで。
- 「まさな」
- 「まさなし」の語幹。よくない、いけない。
解説
現代にも通じる子育ての場面である。よその子のいたずらを目の前にしながら強く叱れないもどかしさは、多くの読者が共感するところであろう。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、289–290頁(コマ147–148)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日