枕草子 第145段 類聚的章段
おそろしきもの
恐ろしいものとして、どんぐりの殻、焼け跡、水蕗、菱、髪の多い男が洗い髪を干しているところ、栗のいがを挙げる。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
恐ろしいもの。
どんぐりの殻。焼け跡。水蕗。菱の実。髪の多い男が、頭を洗って干しているところ。栗のいが。
意訳
見た目がとげとげしかったり、ぼうぼうとしていたりして、何となく恐ろしく感じられるものを並べている。どんぐりの殻のぶつぶつ、焼け跡の黒さ、菱の実のとがった角、栗のいが。そこに、髪の多い男が洗い髪を干している姿を加えたところがおかしい。
語釈・文法注
文法
- 「つるばみのかさ」
- 橡(つるばみ、くぬぎの古名)の実、どんぐりの殻斗(かさ)。いぼいぼしている。
- 「水ぶき」
- 水蕗。オニバスのこととされる。葉や茎にとげがある。
解説
見た目の印象から集めた短い段である。とげのあるもの、ぼさぼさしたものなど、触れると痛そうな感覚を伴うものが選ばれている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、287頁(コマ146)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日