古典ライブラリー

枕草子 第140段 日記的章段

八幡の臨時の祭の名残

八幡の臨時の祭の後、舞人が帰参しても舞わないのが物足りないと女房たちが言うのを帝がお聞きになり、翌日舞わせることになる。舞人が召されたと聞いて、女房たちがあわてて駆けつける様子を描く。

  1. 1八幡やはた八幡やはたやわたののの臨時りんじ臨時りんじりんじののの祭まつり祭まつりまつりののの名殘なごり名殘なごりなごりこそこそこそいといといとつれづれつれづれつれずれなれなれなれ。。。「「「などなどなどてててかへりかへりかえりててて又また又またまた舞ま舞ままふふうわざわざわざをををせせせざりざりざりけむけむけん。。。さらさらさらばばばをかしからをかしからおかしからましましまし。。。祿ろく祿ろくろくををを得え得ええてててうしろうしろうしろよりよりよりまかづるまかづるまかずるこそこそこそ口くち口くちくちをしけれをしけれおしけれ」」」などなどなどいふいふいうををを、、、うへうへうえののの御お御おおまへまへまえににに聞きこ聞きこきこしめししめししめしててて、、、「「「明日あす明日あすあすかへりかへりかえりたらたらたらむむんめしめしめしててて舞ま舞ままははわせせせむむん」」」などなどなど仰おほ仰おほおおせせせらるゝらるゝらるる。。。「「「まことにまことにまことにやややさふらふさふらふさうらうらむらむらん。。。さらさらさらばばばいかにいかにいかにめでたからめでたからめでたからむむん」」」などなどなど申まう申まうもうすすす。。。うれしがりうれしがりうれしがりててて、、、宮みや宮みやみやののの御お御おおまへまへまえにににももも「「「猶なほ猶なほなおそれそれそれまはまはまわせせせさせさせさせ給たま給たまたまへへえ」」」ととと集あつま集あつまあつまりりりててて申まう申まうもうしししまどひまどひまどいしかしかしかばばば、、、そのそのそのたびたびたびかへりかへりかえりててて舞ま舞ままひひいしししははは、、、嬉うれ嬉うれうれしかりしかりしかりしししものものものかなかなかな。。。さしもさしもさしもやややあらあらあらざらざらざらむむんとととうちうちうちたゆみたゆみたゆみつるつるつるににに、、、舞ま舞ままひひい人びと人びとびと前まへ前まへまえににに召め召めめすすすををを聞き聞きききききつけつけつけたるたるたる心ここ心ここここちちち物もの物ものものにににあたるあたるあたるばかりばかりばかり騷さわ騷さわさわぐぐぐもももいといといと物もの物ものものぐるほしくぐるほしくぐるおしく、、、しもしもしもにににあるあるある人々ひとびと人々ひとびとひとびと惑まど惑まどまどひひいのぼるのぼるのぼるさまさまさまこそこそこそ、、、人ひと人ひとひとのののずさずさずさ、、、殿上人てんじやうびと殿上人てんじやうびとてんじょうびとなどなどなどののの見み見みみるるるらむらむらんももも知し知ししらららずずず、、、もももをををかしらかしらかしらにににうちうちうちかづきかづきかずきてててのぼるのぼるのぼるををを笑わら笑わらわらふふうもももことわりことわりことわりなりなりなり。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

八幡の臨時の祭の後の名残は、たいそう物足りない。「どうして帰参してから、また舞うことをしなかったのだろう。そうすればおもしろかったろうに。禄をもらって、後ろから退出してしまうのは残念だ」などと女房たちが言うのを、帝がお聞きになって、「明日、帰参したら召して舞わせよう」などとおっしゃる。「本当でございましょうか。それならどんなにすばらしいでしょう」などと申し上げる。うれしくなって、中宮様の御前でも、「やはり、それを舞わせてくださいませ」と集まって申し上げて大騒ぎしたので、その時は帰参してから舞ったのは、うれしかったことだ。まさかそうはなるまいと油断していたところへ、舞人を御前に召すと聞きつけたときの気持ちは、物にぶつかるほどあわてふためくのもたいそう正気の沙汰ではなく、局に下がっていた人々があわてて上がって来る様子は、人の従者や殿上人などが見ているかもしれないのも構わず、裳を頭にかぶって上って来るのを、人が笑うのももっともである。

意訳

前段の臨時の祭の続きのような段である。八幡の臨時の祭では、帰参後の舞がないのを女房たちが残念がると、帝がその声を聞き届けて、翌日舞わせることにした。思いがけず舞が始まると聞いた女房たちは大あわて。人目も構わず裳を頭にかぶって駆け上がる姿は、笑われても仕方がないと作者は言う。帝と女房たちとの親しい関係、祭への熱中ぶりがほほえましく描かれている。

語釈・文法注

文法

「まかづる」
退出する。
「もをかしらにうちかづきて」
裳を頭にかぶって。急いで駆けつけるあまり、裳を着ける間もなく、頭からかぶって走る姿。

解説

帝が女房たちの願いを聞き入れて舞を再演させたことは、一条天皇の宮廷の和やかな雰囲気をよく伝えている。

舞が始まると聞いてあわてふためく女房たちの姿を、作者は自分も含めて笑いの対象にしている。華やかな祭の陰の、人間らしい騒ぎが楽しい。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、283頁(コマ144)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日