枕草子 第115段 類聚的章段
常よりもことに聞こゆるもの
ふだんより特に耳につくものとして、正月三が日の車の音、烏の声、明け方の咳払い、そして楽器の音を挙げる短い段。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
いつもより格別に耳につくもの。
正月三が日の牛車の音。烏の声。明け方の咳払い。楽器の音は言うまでもない。
意訳
いつもより格別に聞こえるものを挙げる。年始の挨拶回りの車の音、新年の烏の声、明け方の静けさの中の咳払い。改まった時や静かな時には、ふだんの音も特別に響く。
語釈・文法注
文法
- 「元三」
- 正月の元日から三日まで。
- 「物のね」
- 楽器の音。
解説
耳につく音を挙げた短い類聚的章段である。正月や明け方といった特別な時間の音に、作者の鋭い聴覚が向けられている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、263頁(コマ134)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日