枕草子 第112段 類聚的章段
森は
森の名を挙げ、大荒木の森、信太の森、生田の森などを並べる。「かうたての森」は、ただ一本の木があるだけなのに森と名づけたのはなぜかと、首をかしげる。
場面イラスト(準備中)
- 1森森もりははは題
- 2おほあらぎおほあらぎおおあらぎののの森森もり、、、しのびしのびしのびののの森森もり、、、こゝひこゝひここいののの森森もり、、、こがらしこがらしこがらしののの森森もり、、、しのだしのだしのだののの森森もり、、、いくたいくたいくたののの森森もり、、、うつきうつきうつきののの森森もり、、、きくだきくだきくだののの森森もり、、、いはせいはせいわせののの森森もり、、、立立たち聞聞ぎきののの森森もり、、、ときはときはときわののの森森もり、、、くるへきくるへきくるへきののの森森もり、、、神神かみなびなびなびののの森森もり、、、うたゝねうたゝねうたたねののの森森もり、、、うきたうきたうきたののの森森もり、、、うへうへうえ木木きののの森森もり、、、いはたいはたいわたののの森森もり。。。かうたてかうたてこうたてののの森森もりととといふいふいうがががみゝみゝみみとゞまるとゞまるとどまるこそこそこそあやしけれあやしけれあやしけれ。。。森森もりなどなどなどいふいふいうべくべくべくもももあらあらあらずずず、、、たゞたゞただひとひとひと木木きあるあるあるををを何何なににににつけつけつけたるたるたるぞぞぞ。。。こひこひこいののの森森もり、、、こはたこはたこわたののの森森もり。。。
現代語訳
森は。
大荒木の森。しのびの森。ここいの森。木枯らしの森。信太の森。生田の森。うつきの森。きくだの森。岩瀬の森。立ち聞きの森。常磐の森。くるへきの森。神なびの森。うたた寝の森。浮田の森。植木の森。磐田の森。かうたての森というのが耳にとまるのは、おかしなことだ。森などと言うべきでもなく、ただ一本の木があるだけなのを、何のつもりで名づけたのか。恋の森。木幡の森。
意訳
森の名を並べる段。「しのび」「立ち聞き」「うたた寝」「恋」など、恋を連想させる名の森が多い。とりわけ気になるのが「かうたての森」で、一本の木しかないのに森と名づけたのはなぜかと、作者は首をかしげる。
語釈・文法注
文法
- 「おほあらぎの森」
- 大荒木の森。山城国の歌枕。
- 「しのだの森」
- 信太の森。和泉国の歌枕で、楠の名所。
- 「みゝとゞまる」
- 耳にとまる、気になる。
解説
森の名を挙げた類聚的章段である。和歌の歌枕として知られた森の名が多く、名前の響きを楽しむ作者の姿勢が表れている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、262–263頁(コマ134)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日