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枕草子 第110段 日記的章段

雅平はいみじく人に笑はるる

蔵人雅平は人に笑われてばかりいる。言葉づかいがおかしく、「一升瓶に二升は入るか」と言ったり、使いに行って「帰った人もいた」と答えたりする。除目の夜には、灯台の敷物に足を取られて灯台を倒し、豆をこっそり食べているのを見つかって大笑いされる。

  1. 1まさひろまさひろまさひろはははいみじくいみじくいみじく人ひと人ひとひとににに笑わら笑わらわらははわるゝるゝるるものものものかなかなかな。。。親おや親おやおやなどなどなどいかにいかにいかに聞き聞ききくくくらむらむらん。。。ともともともにににありくありくありくものものものどもどもどもいといといと人々ひとびと人々ひとびとひとびとしきしきしきををを呼よ呼よよびびびよせよせよせててて「「「なになになにしししにににかゝるかゝるかかるものものものにににはははつかはつかはつかわるゝるゝるるぞぞぞ。。。いかゞいかゞいかが覺おぼ覺おぼおぼゆるゆるゆる」」」などなどなど笑わら笑わらわらふふう。。。物もの物ものものいといといとよくよくよくするするするあたりあたりあたりにてにてにて下した下したしたがさねがさねがさねののの色いろ色いろいろ、、、うへうへうえのののきぬきぬきぬなどなどなどももも人ひと人ひとひとよりよりよりはははよくよくよくててて着き着ききたるたるたるををを「「「これこれこれはははことことことびとびとびとににに着き着ききせせせばばばややや」」」などなどなどいふいふいうににに、、、げにげにげにぞぞぞ詞ことば詞ことばことばづかひづかひずかいなどなどなどのののあやしきあやしきあやしき。。。里さと里さとさとにににとのゐとのゐとのいものものものとりとりとりにににやるやるやるににに「「「男をとこ男をとこおとこ二ふた二ふたふた人り人りりまかれまかれまかれ」」」ととといふいふいうににに「「「一ひと一ひとひと人り人りりしししててて取と取ととりりりにににまかりまかりまかりなななむむんものものものををを」」」ととといふいふいうににに、、、「「「あやしあやしあやしののの男をとこ男をとこおとこややや。。。一ひと一ひとひと人り人りりしししててて二ふた二ふたふた人り人りりのののものものものをををばばばいかでいかでいかでもつもつもつべきべきべきぞぞぞ。。。ひとひとひとますますますがめがめがめににに二ふた二ふたふたますますますははは入い入いいるるるややや」」」ととといふいふいうををを、、、なでふなでふなでう事こと事ことことととと知し知ししるるる人ひと人ひとひとはははなけれなけれなけれどどどいみじういみじういみじゅう笑わら笑わらわらふふう。。。人ひと人ひとひとののの使つかひ使つかひつかいのののきききててて「「「御おほん御おほんおおん返かへ返かへかえりりり事ごと事ごとごととくとくとく」」」ととといふいふいうををを「「「あなあなあなにくにくにくののの男をとこ男をとこおとこややや。。。かまどかまどかまどにににまめまめまめやくべやくべやくべたるたるたる。。。このこのこの殿上てんじやう殿上てんじやうてんじょうののの墨すみ墨すみすみ筆ふで筆ふでふでははは何なに何なになにものものものゝゝの盜ぬす盜ぬすぬすみみみかくしかくしかくしたるたるたるぞぞぞ。。。いひいひいいさけさけさけならならならばばばこそこそこそほしうほしうほしゅうしししててて人ひと人ひとひとののの盜ぬす盜ぬすぬすまままめめめ」」」ととといふいふいうををを又また又またまたわらふわらふわらう。。。女にょ女にょにょ院ゐん院ゐんいんなやまなやまなやませせせ給たま給たまたまふふうとてとてとて御おほん御おほんおおん使つかひ使つかひつかいにににまゐりまゐりまいりててて歸かへ歸かへかえりりりたるたるたるににに「「「院ゐん院ゐんいんののの殿上人てんじやうびと殿上人てんじやうびとてんじょうびとははは誰々たれたれ誰々たれたれたれたれかかかありありありつるつるつる」」」ととと人ひと人ひとひとのののとへとへとへばばば「「「それそれそれかれかれかれ」」」などなどなど四し四しし五ご五ごご人にん人にんにんばかりばかりばかりいふいふいうににに「「「又また又またまたははは」」」ととと問と問ととへへへばばば、、、「「「さてさてさてはははいぬるいぬるいぬる人ひと人ひとひとどもどもどもぞぞぞありありありつるつるつる」」」ととといふいふいうををを、、、またまたまた笑わら笑わらわらふふうももも又また又またまたあやしきあやしきあやしき事こと事ことことにににこそこそこそはははあらあらあらめめめ。。。人ひと人ひとひとまままににに寄よ寄よよりりりきききててて「「「わわわががが君きみ君きみきみこそこそこそまづまづまず物もの物ものものきこえきこえきこえむむん。。。まづまづまずまづまづまず人ひと人ひとひとのののののの給たま給たまたまへへえるるることことことぞぞぞ」」」ととといへいへいえばばば、、、「「「何なに何なになに事ごと事ごとごとにににかかか」」」とてとてとて凡き凡きき帳ちやう帳ちやうちょうのののもともともとににによりよりよりたれたれたればばば、、、「「「むくろむくろむくろこめこめこめににによりよりよりたまへたまへたまえ」」」ととといふいふいうををを「「「五ご五ごごたいたいたいごめごめごめにににとととなむなむなんいひいひいいつるつるつる」」」ととといひいひいいてててまたまたまたわらふわらふわらう。。。ぢもくぢもくじもくののの中なか中なかなかののの夜よ夜よよさしさしさしあぶらあぶらあぶらするするするににに、、、とうだいとうだいとうだいのののうちうちうちしきしきしきをををふみふみふみててて立た立たたてるてるてるににに、、、新あたら新あたらあたらしきしきしきゆたんゆたんゆたんなれなれなればばばつようつようつようとらへとらへとらえられられられにににけりけりけり。。。さしさしさし步あゆ步あゆあゆみみみてててかへれかへれかえればばばやがてやがてやがてとうだいとうだいとうだいはははたふれたふれたうれぬぬぬ。。。したうづしたうづしたうずはははうちうちうちしきしきしきにににつきつきつきてててゆくゆくゆくににに、、、まことまことまことににに道みち道みちみちこそこそこそしんどうしんどうしんどうしししたりたりたりしかしかしか。。。頭とう頭とうとうつきつきつき給たま給たまたまははわぬぬぬ程ほど程ほどほどははは殿上てんじやう殿上てんじやうてんじょうのののだいばんだいばんだいばんににに人ひと人ひとひともももつかつかつかずずず。。。それそれそれにににまさひろまさひろまさひろははは豆まめ豆まめまめ一ひと一ひとひともりもりもりををを取と取ととりりりててて、、、こここさうじさうじそうじのののうしろうしろうしろにてにてにてやをらやをらやおらくひくひくいけれけれければばば、、、ひきひきひきあらはしあらはしあらわしててて笑わら笑わらわらははわるゝるゝるることことことぞぞぞかぎりかぎりかぎりなきなきなきややや。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

雅平はたいそう人に笑われる者だなあ。親などはどう聞いているだろう。供として連れ歩く者たちで、たいそう立派な者を呼び寄せて、「どうしてこんな者に使われているのか。どう思っているのか」などと笑う。何事もたいそうよく整えてくれる家の人なので、下襲の色や袍なども人よりはよいものを着ているのを、「これは別の人に着せたいものだ」などと言うが、本当に言葉づかいなどが変わっている。里に宿直の夜具を取りにやるときに、「男二人行け」と言うので、男が「一人で取りに行けますのに」と言うと、「変な男だ。一人で二人分の物をどうして持てるものか。一升入りの瓶に二升は入るか」と言うのを、何のことか分かる人はいないけれど、ひどく笑う。人の使いが来て「お返事を早く」と言うのを、「ああ憎らしい男だ。かまどに豆をくべたように慌ただしい。この殿上の墨や筆は、どいつが盗み隠したのだ。飯や酒ならほしがって人も盗むだろうが」と言うのを、また笑う。女院がご病気になられたというので、お見舞いの使いに参上して帰ってきたときに、「院の殿上人は誰々がいたか」と人が尋ねると、「誰それ」などと四、五人ほど言うので、「ほかには」と問うと、「それから、帰った人たちもいた」と言うのを、また笑うのも、またおかしなことなのだろう。人のいない時に寄ってきて、「あなたに、まず申し上げたいことがあります。まずまず、人がおっしゃったことです」と言うので、「何事ですか」と言って几帳のもとに寄ると、「体ごとお寄りください」と言うのを、「『五体ごと』と言ったのよ」と言ってまた笑う。除目の中の夜、灯台に油を差していたところ、灯台の下の敷物を踏んで立っていたので、新しい油単だったので、足袋が強く貼りついてしまった。歩いて帰ると、すぐに灯台は倒れてしまった。足袋は敷物にくっついたまま引きずられていくので、本当に道が震動したのだった。蔵人頭が着席なさらないうちは、殿上の台盤に誰も着かない。それなのに雅平は、豆を一盛り取って、小障子の後ろでこっそり食べていたので、引きはがして見つけられて、笑われることこの上なかった。

意訳

蔵人雅平は、何をしても人に笑われる人物である。「一升瓶に二升は入るか」という変な理屈、「帰った人もいた」というとんちんかんな返答、「体ごと寄れ」という妙な言い方。除目の夜には、灯台の敷物に足袋が貼りついて灯台を倒し、敷物を引きずって歩く始末。蔵人頭が来る前から豆をこっそり食べて見つかる。愛すべき失敗の多い人物を、作者はおかしみを込めて描いている。第56段の名対面の段にも登場する人物である。

語釈・文法注

文法

「ひとますがめに二ますは入るや」
一升入りの瓶に二升は入るか。一人に二人分は持てないことを、妙な理屈で言った。
「かまどにまめやくべたる」
かまどに豆をくべたように、慌ただしくせかす、の意のことわざか。
「むくろごめに」
体ごと。言い方が奇妙なので、女房たちが「五体ごめ」と言い換えて笑った。
「しんどう」
震動。大きく揺れ動くこと。

解説

蔵人源雅平(まさひら)の失敗談を集めた日記的章段である。第56段にも笑われる人物として登場しており、宮中で格好の笑いの種となっていたことがわかる。

作者は雅平の失敗を容赦なく書き立てているが、そこに悪意は感じられず、どこか憎めない人物として描かれている。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、261–262頁(コマ133–134)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日