古典ライブラリー

枕草子 第99段 類聚的章段

くちをしきもの

残念なものとして、節会や仏名に雪が降らず雨になったこと、楽しみにしていた行事が急に中止になったこと、必ず来ると思って呼んだ人が来ないこと、外出の装いを整えたのに知り合いに会わずに終わったことなどを挙げる。

着飾って牛車で外出した女房たちが、誰にも会わずにがっかりしている場面。
着飾って牛車で外出した女房たちが、誰にも会わずにがっかりしている場面。
  1. 1ものものもの題
  2. 2せちゑせちゑせちえ佛ぶつ佛ぶつぶつ名みやう名みやうみょうににに雪ゆき雪ゆきゆきふらふらふらででで雨あめ雨あめあめのののかきかきかきくらしくらしくらし降ふ降ふふりりりたるたるたる。。。節せち節せちせち會ゑ會ゑえさるさるさるべきべきべきをりをりおりののの御おほん御おほんおおん物もの物ものものいみいみいみにににあたりあたりあたりたるたるたる。。。いとなみいとなみいとなみいつしかいつしかいつしかととと思おも思おもおもひひいたるたるたる事こと事ことことののの、、、さはるさはるさわる事こと事ことこと出い出いいででで來き來ききててて俄にはか俄にはかにわかにににとまりとまりとまりたるたるたる。。。いみじういみじういみじゅうするするする人ひと人ひとひとののの子こ子ここうまうまうまででで年とし年としとしごろごろごろ具ぐ具ぐぐしししたるたるたる。。。あそびあそびあそびをををもももししし、、、見み見みみすすすべきべきべき事こと事ことこともももあるあるあるににに、、、かならずかならずかならずきききなななむむんととと思おも思おもおもひひいててて呼よ呼よよびびびににに遣や遣ややりりりつるつるつる人ひと人ひとひとののの「「「障さは障さはさわるるる事こと事ことことありありありててて」」」などなどなどいひいひいいてててこここぬぬぬくちをしくちをしくちおし。。。男をとこ男をとこおとこももも女をんな女をんなおんなももも宮みや宮みやみや仕づか仕づかづかへへえ所どころ所どころどころなどなどなどににに同おな同おなおなじじじやうやうようなるなるなる人ひと人ひとひともろとももろとももろともににに寺てら寺てらてらへへへまうでまうでもうで、、、物もの物ものものへへへももも行ゆ行ゆゆくくくにににこのこのこのもしうもしうもしゅうこぼれこぼれこぼれ出い出いいでゝでゝでて用よう用ようよう意い意いいはげしからはげしからはげしからずずず、、、あまりあまりあまり見み見みみぐるしぐるしぐるしともともとも見み見みみつつつべくべくべくはははあらあらあらぬぬぬににに、、、さるさるさるべきべきべき人ひと人ひとひとののの馬むま馬むまうまにてにてにてももも車くるま車くるまくるまにてにてにてももも行ゆ行ゆゆきききあひあひあい見み見みみずずずなりなりなりぬるぬるぬるいといといとくちをしくちをしくちおし。。。わびわびわびてててはははすきずきしからすきずきしからすきずきしからむむんげすげすげすなどなどなどにてにてにてももも、、、人ひと人ひとひとににに語かた語かたかたりりりつつつべからべからべからむむんにてにてにてもももがながながなととと思おも思おもおもふふうもももけしからけしからけしからぬぬぬなななめりめりめりかしかしかし。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

残念なもの。

節会や仏名の日に、雪が降らないで雨が空を暗くして降ったの。節会など大事な行事の折が、御物忌みにあたったの。準備して、早くその日にならないかと思っていたことが、差し支えができて急に中止になったの。たいそう大事にしている人が、子どもを生まないまま何年も連れ添っているの。管絃の遊びをしたり、見せたいものがあったりするのに、必ず来るだろうと思って呼びにやった人が、「差し支えがあって」などと言って来ないのは残念だ。男も女も、宮仕えの所などで同じような身分の人と一緒に、寺へ参詣し、どこかへ出かけるときに、好ましく衣の裾をこぼし出して、心づかいもやりすぎず、あまり見苦しいとも見えるはずはないのに、しかるべき人に、馬でも車でも行き合わずに、見られないで終わってしまったのは、たいそう残念だ。困ったあげく、風流な下仕えの者などでもいいから、人に話してくれそうな人に会えたらと思うのも、けしからぬことのようだ。

意訳

「くちをし」は、期待がはずれて残念な気持ち。節会に雪ではなく雨が降る、楽しみな行事が中止になる、呼んだ人が来ない。とりわけ、せっかく着飾って出かけたのに、誰にも見られずに帰ってくるのは残念で、せめて噂を広めてくれそうな下仕えの者にでも会えたら、とまで思ってしまう。見られることを楽しみにする宮廷女房の本音が、ユーモラスに語られている。

語釈・文法注

くちをしき
「くちをし」の連体形。期待どおりにならず残念だ、がっかりだ。

文法

「せちゑ」
節会。宮中で節日などに行う公式の宴会。
「こぼれ出でゝ」
牛車の簾の下から、衣の袖や裾を出して見せる「出だし衣」のこと。
「けしからぬなめりかし」
感心しないことのようだよ。自分の思いを自嘲している。

解説

残念なものを挙げた類聚的章段である。着飾って出かけたのに誰にも会わなかった、という残念さは、人に見られることで装いが完成するという、当時の美意識を伝えている。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、248頁(コマ127)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日