枕草子 第90段 随想的章段
細太刀の平緒つけて
細太刀に平緒をつけて、きれいな男が持ち運ぶのは優美だ。紫の紙に包んで封をし、房の長い藤の花に付けた手紙も趣がある、と述べる短い段。

- 1細細ほそ太太だ刀刀ちののの平平ひら緒緒おつけつけつけててて淸淸きよげげげなるなるなるをのこをのこおのこのののもてもてもてわたるわたるわたるもももいといといとなまめかしなまめかしなまめかし。。。紫紫むらさきののの紙紙かみをををつゝみつゝみつつみてててふんじふんじふんじててて、、、房房ふさ長長ながききき藤藤ふじにににつけつけつけたるたるたるもももいといといとをかしをかしおかし。。。
現代語訳
細太刀に平緒をつけて、きれいな男が持って通っていくのも、たいそう優美だ。紫の紙で包んで封をして、房の長い藤の花に付けてあるのも、たいそう趣がある。
意訳
五節のころの宮中の情景の一こまか。細身の太刀を持って歩く美しい若者、紫の紙で包んで藤の花房に結んだ手紙。紫と藤という色の取り合わせに、作者の美意識がうかがえる。
語釈・文法注
文法
- 「細太刀」
- 細身の飾り太刀。儀式の際に用いた。
- 「平緒」
- 太刀を腰に帯びるための、幅の広い組紐。
- 「ふんじて」
- 封じて。封をして。
解説
ごく短い段で、前段の五節の話題に続けて置かれている。紫の紙と藤の花の取り合わせは、同系色を重ねる王朝の美意識の典型である。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、242頁(コマ124)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日