古典ライブラリー

枕草子 第80段 日記的章段

頭中将のそぞろなるそらごとを聞きて

根も葉もない噂を信じて作者を嫌っていた頭中将斉信は、ある雨の夜、白居易の詩句の上の句を書いた手紙で作者を試す。作者は消し炭で下の句を和歌の形で書きつけ、殿上人たちを感嘆させる。作者は「草の庵」とあだ名され、斉信との仲も元に戻る。

雨の夜、宮中の火鉢のそばで、女房が消えた炭を手に取り、手紙の端に返事を書きつけている場面。
雨の夜、宮中の火鉢のそばで、女房が消えた炭を手に取り、手紙の端に返事を書きつけている場面。
  1. 1頭とう頭とうとうのののそゞろそゞろそぞろなるなるなるそらそらそらごとごとごとをををきゝきゝききててていみじういみじういみじゅういひいひいいおとしおとしおとし、、、何なに何なになにしししににに人ひと人ひとひとととと思おも思おもおもひひいけむけむけんなどなどなど殿上てんじやう殿上てんじやうてんじょうにてにてにてもももいみじくいみじくいみじくなむなむなんのたまふのたまふのたまうととと聞き聞ききくくくににに、、、はづかしけれはづかしけれはずかしけれどどど、、、「「「まことまことまことならならならばばばこそこそこそあらあらあらめめめ、、、おのづからおのづからおのずから聞き聞きききききなほしなほしなおし給たま給たまたまひひいてててむむん」」」などなどなど笑わら笑わらわらひひいてててあるあるあるににに、、、黑くろ黑くろくろ戶ど戶どどのののかたかたかたへへへなどなどなど渡わた渡わたわたるるるにににももも聲こゑ聲こゑこえなどなどなどするするする折をり折をりおりははは袖そで袖そでそでをををふたぎふたぎふたぎてててつゆつゆつゆ見み見みみおこせおこせおこせずずず、、、いみじういみじういみじゅうにくみにくみにくみ給たま給たまたまふふうをををとかくとかくとかくもももいはいはいわずずず見み見みみもももいれいれいれででで過す過すすぐすぐすぐす。。。二月にぐわつ二月にぐわつにがつつごもりつごもりつごもりがたがたがた雨あめ雨あめあめいみじういみじういみじゅう降ふ降ふふりりりてててつれづれつれづれつれづれなるなるなるににに、、、御おほん御おほんおおん物もの物ものものいみいみいみにににこもりこもりこもりててて「「「さすがにさすがにさすがにさうざうしくさうざうしくそうぞうしくこそこそこそあれあれあれ、、、物もの物ものものやややいひいひいいにににやらやらやらましましましとととなむなむなんのたまふのたまふのたまう」」」ととと人々ひとびと人々ひとびとひとびと語かた語かたかたれれれどどど「「「よによによにあらあらあらじじじ」」」などなどなどいらへいらへいらえてててあるあるあるににに、、、一ひ一ひひ日ひ日ひひしもしもしもににに暮くら暮くらくらしししててて參まゐ參まゐまいりりりたれたれたればばばよるよるよるのののおとゞおとゞおとどににに入い入いいらららせせせ給たま給たまたまひひいにににけりけりけり。。。なげしなげしなげしのののしもしもしもににに火ひ火ひひ近ちか近ちかちかくくく取と取ととりりりよせよせよせてててさしさしさしつどひつどひつどいてててへんへんへんをををぞぞぞつくつくつく。。。「「「あなあなあなうれしうれしうれしややや。。。とくとくとくおはせおはせおわせ」」」などなどなど見み見みみつけつけつけててていへいへいえどどどすさまじきすさまじきすさまじき心ここ心ここここちちちしししててて何なに何なになにしししにににのぼりのぼりのぼりつつつらむらむらんとととおぼえおぼえおぼえててて、、、すびつすびつすびつのののもともともとににに居ゐ居ゐいたれたれたればばば、、、又また又またまたそこそこそこにににあつまりあつまりあつまり居ゐ居ゐいててて物もの物ものものなどなどなどいふいふいうににに、、、「「「なにがしなにがしなにがしさふらふさふらふさうらう」」」ととといといといと華はな華はなはなやかやかやかにににいふいふいう。。。「「「あやしくあやしくあやしくいついついつのののまままににに何なに何なになに事ごと事ごとごとのののあるあるあるぞぞぞ」」」ととと問と問ととはははすれすれすればばば「「「とのもりとのもりとのもりづかさづかさづかさなりなりなり。。。唯ただ唯ただただこゝこゝここににに人ひと人ひとひとづてづてずてならならならででで申まう申まうもうすすすべきべきべき事こと事ことことなむなむなん」」」ととといへいへいえばばばさしさしさし出い出いいでゝでゝでて問と問ととふふうににに「「「これこれこれ頭とう頭とうとう中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょう殿どの殿どのどのののの奉たてまつ奉たてまつたてまつらららせせせ給たま給たまたまふふう。。。御おほん御おほんおおんかへりかへりかえりとくとくとく」」」ととといふいふいうににに、、、いみじくいみじくいみじくにくみにくみにくみ給たま給たまたまふふうををを、、、いかなるいかなるいかなる御おほん御おほんおおん文ふみ文ふみふみならならならむむんととと思おも思おもおもへへえどどど、、、唯ただ唯ただただ今いま今いまいま急いそ急いそいそぎぎぎ見み見みみるるるべきべきべきにににあらあらあらねねねばばば「「「いねいねいね。。。今いま今いまいまきこえきこえきこえむむん」」」とてとてとてふところふところふところにににひきひきひき入い入いいれれれててて入い入いいりりりぬぬぬ。。。
  2. 2猶なほ猶なほなお人ひと人ひとひとののの物もの物ものものいふいふいうきゝきゝききなどなどなどするするするににに、、、すなはちすなはちすなわち立た立たたちちち歸かへ歸かへかえりりりててて「「「さらばさらばさらばそのそのそのありつるありつるありつる文ふみ文ふみふみをををたまはりたまはりたまわりてててことことことなむなむなん仰おほ仰おほおおせせせられられられつるつるつる。。。とくとくとくとくとくとく」」」ととといふいふいうににに「「「あやしくあやしくあやしく伊い伊いい勢せ勢せせののの物もの物ものもの語がたり語がたりがたりなるなるなるややや」」」とてとてとて見み見みみれれればばば、、、靑あを靑あをあおきききうすうすうすえふえふようにににいといといと淸きよ淸きよきよげげげににに書か書かかききき給たま給たまたまへへえるるるををを心こころ心こころこころときめきときめきときめきしししつるつるつるさまさまさまにににもももあらあらあらざりざりざりけりけりけり。。。「「「らんしやうらんしやうらんしょうののの花はな花はなはなののの時とき時ときとききんちやうきんちやうきんちょうののの」」」ととと書か書かかきききててて「「「末すゑ末すゑすえはははいかにいかにいかにいかにいかにいかに」」」とととあるあるあるををを、、、いかゞいかゞいかがはははすすすべからべからべからむむん御お御おおまへまへまえのののおはしまさおはしまさおわしまさばばば御ご御ごご覽らん覽らんらんぜぜぜさすさすさすべきべきべきををを、、、これこれこれがががすゑすゑすえしりしりしり顔がほ顔がほがおにににたどたどしきたどたどしきたどたどしきまんなまんなまんなににに書か書かかきききたらたらたらむむんももも見み見みみ苦ぐる苦ぐるぐるしししなどなどなど思おも思おもおもひひいまはすまはすまわすほどほどほどもももなくなくなく、、、せめせめせめまどはせまどはせまどわせばばば、、、唯ただ唯ただただそのそのその奧おく奧おくおくにににすびつすびつすびつののの消き消ききえええたるたるたる炭すみ炭すみすみのののあるあるあるしししててて「「「草くさ草くさくさのののいほりいほりいおりををを誰たれ誰たれたれかかかたづねたづねたずねむむん」」」ととと書か書かかきききつけつけつけててて取と取ととらせらせらせつれつれつれどどど、、、返かへ返かへかえりりり事ごと事ごとごともももいはいはいわででで、、、みなみなみなねねねてててつとめてつとめてつとめていといといととくとくとく局つぼね局つぼねつぼねにににおりおりおりたれたれたればばば、、、源げん源げんげん中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうののの聲こゑ聲こゑこえしししててて「「「草くさ草くさくさのののいほりいほりいおりやややあるあるある草くさ草くさくさのののいほりいほりいおりやややあるあるある」」」とととおどろおどろしうおどろおどろしうおどろおどろしゅうとへとへとへばばば「「「などなどなどてててかかかさささ人ひと人ひとひとげげげなきなきなき物もの物ものものはははあらあらあらむむん。。。玉たま玉たまたまのののうてなうてなうてなもとめもとめもとめ給たま給たまたまははわましかましかましかばばばいでいでいで聞きこ聞きこきこえええてててましましまし」」」ととといふいふいう。。。
  3. 3「「「あなあなあな嬉うれ嬉うれうれししし。。。しもしもしもにににありありありけるけるけるよよよ。。。うへうへうえまでまでまで尋たづ尋たづたずねねねむむんとととしししつるつるつるものものものををを」」」とてとてとて「「「よべよべよべありありありしししやうやうよう、、、頭とう頭とうとう中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうのののとのゐとのゐとのい所どころ所どころどころにてにてにて少すこ少すこすこししし人々ひとびと人々ひとびとひとびとしきしきしき限かぎり限かぎりかぎり、、、六ろく六ろくろく位ゐ位ゐいまでまでまで集あつま集あつまあつまりりりててて萬よろづ萬よろづよろずののの人ひと人ひとひとのののうへうへうえ、、、むかしむかしむかし今いま今いまいまととと語かた語かたかたりりりててていひいひいいしししついでついでついでににに、、、猶なほ猶なほなおこのこのこのものものものむげむげむげににに絕た絕たたえええはてゝはてゝはてて後のち後のちのちこそこそこそさすがにさすがにさすがにえええあらあらあらねねね、、、もしもしもしいひいひいい出い出いいづるづるずる事こと事ことこともももやややととと待ま待ままてててどどどいさゝかいさゝかいささか何なに何なになにともともとも思おも思おもおもひひいたらたらたらずずず、、、つれなきつれなきつれなきがががいといといとねたきねたきねたきををを、、、今こ今ここ宵よひ宵よひよいあしあしあしともともともよしよしよしともともとも定さだ定さださだめめめきりきりきりてててやみやみやみなななむむんかしかしかしとてとてとて、、、皆みな皆みなみないひいひいい合あは合あはあわせせせたりたりたりししし事こと事ことことををを、、、唯ただ唯ただただ今いま今いまいまははは見み見みみるるるまじきまじきまじきとてとてとて入い入いいりりり給たま給たまたまひひいぬぬぬとてとてとてとのもりとのもりとのもりづかさづかさづかさ來きた來きたきたりりりしししををを、、、又また又またまた追お追おおひひい返かへ返かへかえしししてててたゞたゞただ袖そで袖そでそでをををとらへとらへとらえてててとうざいとうざいとうざいをををさささせせせずずずこひこひこいとりとりとりもてもてもてこここずずずばばば、、、文ふみ文ふみふみををを返かへ返かへかえしししとれとれとれととといましめいましめいましめててて、、、さばかりさばかりさばかり降ふ降ふふるるるあめあめあめのののさかりさかりさかりににに遣や遣ややりりりたるたるたるににに、、、いといといと疾と疾ととくくく歸かへ歸かへかえりりりきたりきたりきたり。。。これこれこれとてとてとてさしさしさし出い出いいでででたるたるたるがががありつるありつるありつる文ふみ文ふみふみなれなれなればばば、、、返かへ返かへかえしししてててけるけるけるかかかとととうちうちうち見み見みみるるるににに、、、あはせあはせあわせてててをめけをめけおめけばばば、、、あやしあやしあやし、、、いかなるいかなるいかなる事こと事ことことぞぞぞとてとてとて皆みな皆みなみな寄よ寄よよりりりててて見み見みみるるるににに、、、いみじきいみじきいみじきぬすぬすぬす人びと人びとびとかなかなかな、、、なほなほなおえええこそこそこそすつすつすつまじけれまじけれまじけれととと見み見みみさわぎさわぎさわぎててて、、、これこれこれがががもともともとつけつけつけてててやらやらやらむむん、、、源げん源げんげん中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうつけつけつけよよよなどなどなどいふいふいう。。。夜よ夜よよ更ふ更ふふくるくるくるまでまでまでつけつけつけわづらひわづらひわずらいてててなむなむなんやみやみやみにににししし。。。このこのこのことことことかならずかならずかならず語かた語かたかたりりり傳つた傳つたつたふふうべきべきべきことことことなりなりなりとととなむなむなん定さだ定さださだめめめししし」」」ととといみじくいみじくいみじくかたはらいたきかたはらいたきかたわらいたきまでまでまでいひいひいいきかせきかせきかせててて「「「御おほん御おほんおおん名な名ななははは今いま今いまいまははは草くさ草くさくさのののいほりいほりいおりとととなむなむなんつけつけつけたるたるたる」」」とてとてとて急いそ急いそいそぎぎぎたちたちたち給たま給たまたまひひいぬれぬれぬればばば「「「いといといとわろきわろきわろき名な名ななののの末すゑ末すゑすえまでまでまであらあらあらむむんこそこそこそ口くち口くちくち惜を惜をおしかるしかるしかるべけれべけれべけれ」」」ととといふいふいう程ほど程ほどほどににに、、、
  4. 4修す修すす理り理りり亮のすけ亮のすけのすけ「「「いみじきいみじきいみじきよろこびよろこびよろこび申まう申まうもうしししににに、、、うへうへうえにににやややとてとてとて參まゐ參まゐまいりりりたりたりたりつるつるつる」」」ととといへいへいえばばば「「「なぞなぞなぞつかさつかさつかさめしめしめしありありありともともとも聞きこ聞きこきこえええぬぬぬににに、、、何なに何なになにににになりなりなり給たま給たまたまへへえるるるぞぞぞ」」」ととといへいへいえばばば「「「いでいでいでまことまことまことにににうれしきうれしきうれしき事こと事ことことのののよべよべよべ侍はべ侍はべはべりりりしししををを、、、心こころ心こころこころもとなくもとなくもとなく思おも思おもおもひひい明あか明あかあかしししてててなむなむなん。。。かばかりかばかりかばかりめんぼくめんぼくめんぼくあるあるある事こと事ことことなかりなかりなかりききき」」」とてとてとてはじめはじめはじめありありありけるけるける事こと事ことことどもどもども中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうののの語かた語かたかたりりりつるつるつるおなじおなじおなじ事こと事ことことどもどもどもをををいひいひいいててて、、、「「「このこのこのかへりかへりかえりごとごとごとにににしたがひしたがひしたがいてててさるさるさる物もの物ものものありありありとととだにだにだに思おも思おもおもははわじじじととと頭とう頭とうとう中將ちゆうじやう中將ちゆうじやうちゅうじょうのたまひのたまひのたまいしししににに、、、たゞたゞただににに來きた來きたきたりりりしししはははなかなかなかなかなかなかよかりよかりよかりききき。。。もてもてもてきたりきたりきたりしししたびたびたびはははいかならいかならいかならむむんととと胸むね胸むねむねつぶれつぶれつぶれててて、、、まことまことまことにににわろからわろからわろからむむんはははせうとせうとしょうとのののためためためもももわろかるわろかるわろかるべしべしべしととと思おも思おもおもひひいしししににに、、、なのめなのめなのめにににだにだにだにあらあらあらずずず、、、そこらそこらそこらののの人ひと人ひとひとののの譽ほ譽ほほめめめ感かん感かんかんじじじててて、、、せうとせうとしょうとこそこそこそ聞き聞ききけけけとととののの給たま給たまたまひひいしかしかしかばばば、、、したしたした心ごころ心ごころごころにににはははいといといとうれしけれうれしけれうれしけれどどど、、、さやうさやうさようのののかたかたかたにににはははさらにさらにさらにえええ侍さぶら侍さぶらさぶらふふうまじきまじきまじき身み身みみににになむなむなんはべるはべるはべるととと申まう申まうもうしししゝゝしかかかばばば、、、ことことことくはへくはへくわえ聞き聞ききききき知し知ししれれれとととにににはははあらあらあらずずず唯ただ唯ただただ人ひと人ひとひとににに語かた語かたかたれれれとてとてとてきかするきかするきかするぞぞぞとととのたまひのたまひのたまいしししなむなむなん、、、すこしすこしすこしくちをしきくちをしきくちおしき。。。せうとせうとしょうとのののおぼえおぼえおぼえににに侍はべ侍はべはべりりりしかしかしかどどど、、、これこれこれがががもともともとつけつけつけ心こころ心こころこころみるみるみるににに、、、いふいふいうべきべきべきやうやうようなしなしなし。。。殊こと殊ことことににに又また又またまた、、、これこれこれががが返かへ返かへかえしししをををやややすすすべきべきべきなどなどなどいひいひいい合あは合あはあわせせせ、、、わろきわろきわろきことことこといひいひいいてててはははなかなかなかなかなかなかねたかるねたかるねたかるべしべしべし」」」とてとてとて夜よ夜よよ中なか中なかなかまでまでまでなむなむなんおはせおはせおわせししし。。。これこれこれははは身み身みみのののためためためにににももも人ひと人ひとひとのののためためためにににもももさてさてさていみじきいみじきいみじきよろこびよろこびよろこびにににははははべらはべらはべらずずずややや。。。司つかさ司つかさつかさめしめしめしににに少せう少せうしょう將しやう將しやうしょうのののつかさつかさつかさ得え得ええててて侍はべ侍はべはべらららむむんはははなになになにともともとも思おも思おもおもふふうまじくまじくまじくなむなむなん」」」ととといへいへいえばばば、、、げにげにげにあまたあまたあまたしししてててさるさるさる事こと事ことことあらあらあらむむんともともとも知し知ししらららででで、、、ねたくねたくねたくもももありありありけるけるけるかなかなかな。。。これこれこれににになむなむなん胸むね胸むねむねつぶれつぶれつぶれててて覺おぼ覺おぼおぼゆるゆるゆる。。。このこのこのいもうといもうといもうとせうとせうとしょうとゝゝといふいふいうことことことをををばばばうへうへうえまでまでまで皆みな皆みなみなしろしめししろしめししろしめし、、、殿上てんじやう殿上てんじやうてんじょうにににもももつかさつかさつかさ名な名ななをををばばばいはいはいわでででせうとせうとしょうとゝゝとぞぞぞつけつけつけたるたるたる。。。物もの物ものもの語がたり語がたりがたりなどなどなどしししててて居ゐ居ゐいたるたるたるほどほどほどにににまづまづまずととと召め召めめしししたれたれたればばば、、、參まゐ參まゐまいりりりたるたるたるににに、、、このこのこの事こと事ことこと仰おほ仰おほおおせせせられられられむむんとてとてとてなりなりなりけりけりけり。。。「「「うへうへうえののの渡わた渡わたわたらららせせせ給たま給たまたまひひいててて語かた語かたかたりりり聞きこ聞きこきこえええさせさせさせ給たま給たまたまひひいてててをのこをのこおのこどもどもども皆みな皆みなみな扇あふぎ扇あふぎおうぎににに書か書かかきききてててもたるもたるもたる」」」ととと仰おほ仰おほおおせせせらるゝらるゝらるるにににこそこそこそあさましうあさましうあさましゅう何なに何なになにのののいはいはいわせせせけるけるける事こと事ことことにににかかかととと覺おぼ覺おぼおぼえええしかしかしか。。。さてさてさてのちのちのちににに袖そで袖そでそでぎちやうぎちやうぎちょうなどなどなど取と取ととりりりのけのけのけててて思おも思おもおもひひいなほりなほりなおり給たま給たまたまふふうめりめりめりししし。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

頭中将が、根も葉もない作り話を聞いて、私のことをひどく悪く言い、「どうして一人前の人間だと思っていたのだろう」などと殿上でもひどくおっしゃっていると聞くと、恥ずかしかったけれど、「本当のことならともかく、そのうち自然と聞き直してくださるでしょう」などと笑っていたところ、黒戸の方などへお渡りになるときにも、私の声などがする折には、袖で顔をふさいで少しもこちらを見ず、ひどく憎んでいらっしゃるのを、私はあれこれ言わず、見向きもしないで過ごしていた。二月の末ごろ、雨がひどく降って退屈なときに、頭中将が御物忌みで宮中にこもって、「さすがに物足りない。何か言ってやろうか、とおっしゃっていた」と人々が話すけれど、「まさかそんなことはないでしょう」などと答えていたところ、一日じゅう下の局で過ごして、夜に参上すると、中宮様はもう夜の御殿にお入りになってしまっていた。長押の下に灯火を近くに寄せて、女房たちが集まって偏つぎの遊びをしている。「まあうれしい。早くいらっしゃい」などと私を見つけて言うけれど、興ざめな気持ちがして、何をしに上がってきたのだろうと思われて、炭櫃のそばに座っていると、またそこに女房たちが集まって座って話などをしているときに、「誰それがお伺いしております」と、たいそう華やかに言う声がする。「おかしいわね、いつの間に何の用があるのかしら」と尋ねさせると、「主殿司です。ここで、人づてでなく申し上げたいことがあります」と言うので、出て行って尋ねると、「これは頭中将殿が差し上げなさるお手紙です。お返事を早く」と言うので、あれほど憎んでいらっしゃるのに、どんなお手紙だろうと思うけれど、今すぐ急いで見るべきものでもないので、「お行きなさい。すぐにお返事しましょう」と言って、懐に入れて中に入ってしまった。', 'それでもまだ人が話をしているのを聞いたりしていると、主殿司がすぐに戻ってきて、「それなら、先ほどの手紙をいただいて来いと仰せられました。早く早く」と言うので、「まるで伊勢物語みたいね」と言って見ると、青い薄様の紙に、たいそうきれいにお書きになっているのは、胸をどきどきさせたほどのものでもなかった。「蘭省の花の時錦帳の下」と書いて、「下の句はどうだ、どうだ」とあるのを、どうしたらよいだろう。中宮様がいらっしゃれば、お目にかけるところなのに、この下の句を知っている顔で、たどたどしい漢字で書いたとしたら、それも見苦しいなどと思い巡らす間もなく、使いがせきたてるので、ただその手紙の奥に、炭櫃の消えた炭があるのを使って、「草の庵を誰か訪ねむ」と書きつけて渡したけれど、それきり返事もなく、みな寝てしまって、翌朝たいそう早く局に下がっていると、源中将の声がして、「草の庵はいるか、草の庵はいるか」と大げさに尋ねるので、「どうしてそんな人並みでない者がおりましょう。玉の台をお探しでしたら、お返事もいたしましたでしょうに」と言う。', '源中将は「ああうれしい。下の局にいたのだね。上の御局まで訪ねようとしていたのに」と言って、「昨夜あったことは、頭中将の宿直所で、少し主だった者ばかり、六位の者まで集まって、いろいろな人のうわさを、昔のこと今のことと話していたついでに、頭中将が『やはりあの者とすっかり絶交してしまってからは、さすがに我慢できない。もしかしたら向こうから何か言ってくるかと待っているのだが、少しも何とも思っていないようで、平気な顔をしているのがたいそうしゃくだから、今夜、悪いとも良いとも決着をつけてしまおう』と言って、みなで相談した手紙を、主殿司が『今すぐは見ないと言って奥にお入りになってしまいました』と戻ってきたのを、また追い返して、『ただ袖をつかまえて、有無を言わさず返事をもらって来い。そうでなければ手紙を取り返して来い』と言いつけて、あれほど降る雨のさなかにやったところ、たいそう早く帰ってきた。『これです』と差し出したのが、さっきの手紙なので、突き返してきたのかと見ると、一同声をそろえて叫んだので、何だ、どうしたのだとみな寄ってきて見ると、『たいへんな盗人だ。やはり捨てておけない』と見て騒いで、『この上の句をつけてやろう。源中将、つけよ』などと言う。夜がふけるまで上の句をつけあぐねて、結局やめてしまった。このことは必ず語り伝えるべきことだと決めた」と、たいそういたたまれないほど言い聞かせて、「あなたのお名前は、今は『草の庵』とつけたのだ」と言って急いで立ち去っておしまいになったので、「たいそう悪い名が後々まで残るのは残念なことでしょう」と言っているところに、', '修理亮の則光が、「たいそうなお祝いを申し上げに、上の御局にいるかと思って参上したところでした」と言うので、「どうして。除目があったとも聞いていないのに、何におなりになったのですか」と言うと、「いや、本当にうれしいことが昨夜ございましたのを、早くお伝えしたくて夜を明かしまして。これほど面目のあることはありませんでした」と言って、初めからあったことを、源中将が話したのと同じことを話して、「頭中将が、『この返事次第で、そんな者がいるとさえ思うまい』とおっしゃったのに、使いが手ぶらで帰ってきたのは、かえってよかった。二度目に返事を持ってきたときは、どうなることかと胸がつぶれる思いで、本当に悪い返事だったら、兄である私のためにも悪いだろうと思っていたところ、並一通りどころではなく、そこにいた人たちがみなほめ感心して、『兄よ、聞け』とおっしゃったので、内心ではたいそううれしかったけれど、『そういう方面には、まったくお仕えできない身でございます』と申し上げたところ、『言葉を添えて批評せよというのではない。ただ人に語れというので聞かせるのだ』とおっしゃったのが、少し残念でした。兄としての評判はよかったのですが、上の句をつけてみようとしても、言いようがない。『特に、これに返しをすべきだろうか』などと相談し、『まずい歌を返してはかえってしゃくだろう』と言って、夜中までいらっしゃいました。これは私の身にとっても、あなたにとっても、たいへんな喜びではございませんか。除目で少将の官職を得たとしても、これほどうれしいとは思わないでしょう」と言うので、なるほど、大勢でそんなことをしていたとも知らずに、しゃくなことでもあったなあ。これにこそ胸がどきどきする思いがする。この妹・兄ということは、帝までみなご存じで、殿上でも官職名で呼ばずに「兄(せうと)」とあだ名をつけている。話などをしていると、中宮様から「すぐに」とお召しがあったので参上すると、このことをおっしゃろうとしてであった。「帝がお渡りになってお話しになって、男たちはみな扇に書いて持っている」とおっしゃるので、あきれて、何が私にあんなことを言わせたのだろうと思われた。その後、頭中将は袖で顔を隠すようなこともやめて、機嫌を直されたようであった。'

意訳

根も葉もない噂を信じて作者を避けていた頭中将斉信は、雨の夜、白居易の詩句「蘭省の花の時錦帳の下」を書いた手紙を送り、下の句を問う。漢詩の下の句「廬山の雨の夜草庵の中」を、女の身で漢字で書くのは見苦しい。そう考えた作者は、消し炭で「草の庵を誰か訪ねむ」と和歌の下の句の形で答えた。漢詩の知識を、和歌という女性らしい形で示したこの機転に、殿上人たちは驚嘆し、上の句をつけようとして夜明けまで果たせなかった。作者は「草の庵」とあだ名され、帝も感心し、斉信との仲も元に戻る。作者の機知が宮中に知れわたった、生涯の誇りともいえる出来事である。

語釈・文法注

頭中將
蔵人頭で近衛中将を兼ねる者。ここでは藤原斉信(ただのぶ)。当代きっての才人として知られた。
らんしやうの花の時きんちやうのもと
白居易の詩「廬山草堂、夜雨独宿…」の一節「蘭省花時錦帳下、廬山雨夜草庵中」による。「蘭省」は尚書省。友人たちが都で栄華を楽しむ時、自分は廬山の雨の夜に草庵にいる、という意。斉信は上の句を示して、下の句を問うた。
のりみつ
橘則光。作者のかつての夫とされ、宮中では作者と「兄・妹(せうと・いもうと)」と呼び合っていた。

文法

「伊勢の物語なるや」
伊勢物語のようね。返事を急がせて使いが何度も往復するさまを、物語の一場面になぞらえた。
「草のいほりを誰かたづねむ」
詩の下の句「廬山雨夜草庵中」を踏まえて、「草の庵を誰が訪ねてくれるでしょう」と和歌の下の句の形で答えた。漢字を用いず、自分の不遇を嘆く意も込めた機知に富む返答。
「玉のうてな」
玉の台。立派な御殿。「草の庵」に対して言った。
「とうざいをさせず」
東西をさせず。有無を言わさず。

解説

枕草子の日記的章段の中でも、作者の機知を示す逸話として最も名高い段の一つである。斉信の手紙は、作者が漢詩の教養をどう示すかを試すものだった。作者は、漢詩をそのまま漢字で書けば女らしくなく見苦しい、かといって知らないふりもできない、という難題を、和歌の下の句の形で答えるという方法で見事に切り抜けた。

当時、漢詩文の知識は男性のものとされ、女性がそれを表立って示すことは慎まれた。作者の返答は、漢詩の知識を持ちながらそれを和歌の世界に移しかえるという、絶妙な均衡の上に成り立っている。後半の則光の話からは、この出来事が宮中でどれほど評判になったかがうかがえる。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、222–226頁(コマ114–116)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日