枕草子 第78段 類聚的章段
とりもてるもの
もてはやされるものとして、傀儡の琴取り(拍子取り)と、除目で第一等の国を得た人を挙げる。

現代語訳
人にもてはやされるもの。
傀儡の拍子取り。除目で第一等の国を得た人。
意訳
もてはやされるものとして二つだけを挙げる。芸能の一座で拍子をとる者と、除目で最上の国の国司に任じられた人。どちらも、その場で人々の注目と称賛を一身に集める存在である。
語釈・文法注
- くゞつ
- 傀儡。人形を操ったり、歌や芸を見せたりして各地を回った芸能の集団。
文法
- 「とりもてる」
- もてはやされる、大事にされる。
- 「第一の國」
- 大国(大和・播磨など)の国司の職。受領にとって最も望ましい任官。
解説
もてはやされるものを挙げた、ごく短い段である。第24段「すさまじきもの」の除目の場面と対照的に、ここでは大国を得た受領の得意の姿が挙げられている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、222頁(コマ114)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日