枕草子 第76段 類聚的章段
いとほしげなきもの
同情する気になれないものとして、人に代作してやった歌がほめられること、旅に出る人に紹介状を書いてやったのに、いいかげんだと腹を立てる人を挙げる。

- 1なきなきなきものものもの題
- 2人人ひとににによみよみよみててて取取とらせらせらせたるたるたる歌歌うたののの譽譽ほめめめらるゝらるゝらるる、、、されされされどどどそれそれそれはははよしよしよし。。。遠遠とおきききありきありきありきするするする人人ひとのののつきづきつきづきつきづきえんえんえん尋尋たずねねねててて文文ふみえええむむんととといはいはいわすれすれすればばば、、、知知しりりりたるたるたる人人ひとのののがりがりがりなほざりなほざりなおざりにににかきかきかきててて遣遣やりりりたるたるたるににに、、、なまなまなまいたはりいたはりいたわりなりなりなりととと腹腹はら立立だちちちててて返返かえりりり事事ごともももとらとらとらせせせでででむとくむとくむとくにににいひいひいいなしなしなしたるたるたる。。。
現代語訳
気の毒に思う気になれないもの。
人に詠んでやった歌がほめられるの。けれども、それはまあよい。遠くへ旅をする人が、あちこちのつてを探して、紹介の手紙をもらいたいと人に言わせるので、知っている人のところに、なおざりに書いてやったところ、いいかげんな心遣いだと腹を立てて、返事ももらわせず、ひどいことだと言いふらしたの。
意訳
同情する気になれない、むしろ腹立たしいものを挙げる。代作した歌が他人の名でほめられるのは、まあ仕方がない。けれども、頼まれて紹介状を書いてやったのに、いいかげんだと文句を言いふらされるのは、とても気の毒とは思えない。人の世話をしたのに恩を仇で返される理不尽さが描かれている。
語釈・文法注
- いとほしげ
- 「いとほしげなり」の語幹。気の毒そうなさま。「いとほしげなきもの」は、気の毒だと思う余地のないもの。
文法
- 「つきづきえん」
- 次々の縁。あちこちのつて。
- 「なまいたはり」
- いいかげんな心遣い。
- 「むとくに」
- 無徳に。不親切で、ひどいと。
解説
同情する気になれないものを挙げた短い段である。前半の代作の話は、歌の上手な作者が人に頼まれて歌を詠むことが多かったことをうかがわせる。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、222頁(コマ114)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日