枕草子 第63段 類聚的章段
里は
里の名として、逢坂の里、ながめの里、人妻の里、頼めの里、朝風の里、夕日の里などを挙げ、妻取りの里という名には、人に取られたのか自分が取ったのかと興じる。

- 1里里さとははは題
- 2あふさかあふさかあうさかののの里里さと、、、ながめながめながめののの里里さと、、、いさめいさめいさめののの里里さと、、、人人ひとづまづまづまののの里里さと、、、たのめたのめたのめののの里里さと、、、朝朝あさ風風かぜののの里里さと、、、夕夕ゆう日日ひののの里里さと、、、とをちとをちとおちののの里里さと、、、伏伏ふし見見みののの里里さと、、、ながゐながゐながいののの里里さと。。。つまどりつまどりつまどりののの里里さと、、、人人ひとにににとらとらとられれれたるたるたるにににやややあらあらあらむむん、、、我我わががが取取とりりりたるたるたるにににやややあらあらあらむむん、、、いづれいづれいずれもももをかしをかしおかし。。。
現代語訳
里は。
逢坂の里。ながめの里。いさめの里。人妻の里。頼めの里。朝風の里。夕日の里。十市の里。伏見の里。長井の里。妻取りの里は、妻を人に取られたのだろうか、自分が取ったのだろうか、どちらにしてもおもしろい。
意訳
里の名を並べる段で、「逢う」「眺め(物思い)」「人妻」「頼め」など、恋にかかわる言葉を含む名が多い。最後の「妻取りの里」には、取られたのか取ったのか、と想像をめぐらせて興じている。
語釈・文法注
文法
- 「たのめの里」
- 「頼め」は、あてにさせること。恋の約束を連想させる名。
解説
里の名を挙げた短い類聚的章段である。恋の歌に通じる言葉を含む地名が多く選ばれており、名前から物語を想像する作者の楽しみ方がよく表れている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、214頁(コマ110)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日