枕草子 第60段 類聚的章段
滝は
滝の名として、音無の滝、布留の滝、那智の滝、轟の滝を挙げ、それぞれに短い感想を添える。

現代語訳
滝は。
音無の滝。布留の滝は、法皇がご覧においでになったというのが、すばらしい。那智の滝は、熊野にあるのがしみじみとする。轟の滝は、どんなにやかましく恐ろしいことだろう。
意訳
滝の名を四つ挙げる。「音無」と「轟」という対照的な名前、宇多法皇の御幸の故事、熊野の霊場にある那智の滝。名前と由緒とから、それぞれの滝の姿を思い描いている。
語釈・文法注
文法
- 「法皇」
- 宇多法皇。布留の滝に御幸したことが伝えられる。
解説
滝の名を挙げた短い類聚的章段である。「音無の滝」から始めて「轟の滝」で終える構成に、名前の響きを楽しむ作者の遊び心が見える。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、214頁(コマ110)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日