枕草子 第58段 随想的章段
若き人とちごは
若い人と幼児は太っているのがよく、受領など年配の人も太っているのがよい。また、牛飼童や供の者は、主人の体面にかかわるので身なりがよくなければならない、と述べる。

- 1わかきわかきわかき人人ひととととちごちごちごははは肥肥こえええたるたるたるよしよしよし。。。ずりやうずりやうずりょうなどなどなどおとなおとなおとなだちだちだちたるたるたる人人ひとはははふときふときふときいといといとよしよしよし。。。あまりあまりあまりやせやせやせからめきからめきからめきたるたるたるははは心心こころいらいらいられれれたらたらたらむむんととと推推おしししはからはからはからるるる。。。よろづよろづよろずよりよりよりははは牛牛うし飼飼かい童童わらわのののなりなりなりあしくあしくあしくてててもたるもたるもたるこそこそこそあれあれあれ。。。ことことことものものものどもどもどもはははされされされどどどしりしりしりにににたちたちたちてててこそこそこそいけいけいけ。。。さきさきさきにににつとつとつとまもらまもらまもられれれいくいくいくものものもの、、、きたなげきたなげきたなげなるなるなるははは心心こころうううししし。。。車車くるまのののしりしりしりにににことことことなるなるなることことことなきなきなきをのこをのこおのこどもどもどものののつれつれつれだちだちだちたるたるたるいといといと見見みぐるしぐるしぐるし。。。ほそらかほそらかほそらかなるなるなるをのこをのこおのこ、、、ずゐじんずゐじんずいじんなどなどなど見見みえええぬぬぬべきべきべきががが黑黑くろききき袴袴はかまのののすそごすそごすそごなるなるなる、、、狩狩かり衣衣ぎぬははは何何なにもももうちうちうちなれなれなればみばみばみたるたるたる。。。走走はしるるる車車くるまのののかたかたかたなどなどなどにににのどやかのどやかのどやかにてにてにてうちうちうちそひそひそいたるたるたるこそこそこそ我我わががが物物ものとととははは見見みえええねねね。。。猶猶なお大大おおかたかたかたなりなりなりあしくあしくあしくててて人人ひと使使つかふふうはははわろかりわろかりわろかりききき。。。やれやれやれなどなどなど時々時々ときどきうちうちうちしししたれたれたれどどどなれなれなればみばみばみててて罪罪つみなきなきなきはははさるさるさるかたかたかたなりなりなりややや。。。つかひつかひつかい人人びとなどなどなどはははありありありてててわらはべわらはべわらわべのののきたなげきたなげきたなげなるなるなるこそこそこそはははあるあるあるまじくまじくまじく見見みゆれゆれゆれ。。。家家いえににに居居いたるたるたる人人ひともももそこそこそこにににあるあるある人人ひととてとてとてつかひつかひつかいにてにてにてもももまらうどまらうどまろうどなどなどなどのののいきいきいきたるたるたるにににももも、、、をかしきをかしきおかしき童童わらわのののあまたあまたあまた見見みゆるゆるゆるはははいといといとをかしをかしおかし。。。
現代語訳
若い人と幼い子は、太っているのがよい。受領など、年配の人は、太っているのがたいそうよい。あまりにやせてひからびたようなのは、気が短いのだろうと推しはかられる。何よりも、牛飼童の身なりが悪いのを連れているのは困ったものだ。ほかの供の者たちは、それでも車の後ろに付いて行く。前に立ってじっと見られながら行く者が、汚らしいのは情けない。車の後ろに、どうということもない男たちが連れ立っているのは、たいそう見苦しい。ほっそりした男で、随身などに見えそうな者が、黒い袴の裾濃のものに、狩衣は何でもよいが着なれたのを着ている。走る車のそばなどに、のんびりと付き添っているのは、とても自分の家の者とは見えない。やはり、総じて身なりの悪い者を使うのはよくなかった。破れたところなどが時々あっても、着なれていて見苦しくないのは、それなりによいものだ。召使いなどはいても、童の汚らしいのは、あってはならないように見える。家にいる人も、そこにいる人として、使いに出す場合でも、客などが来たときでも、かわいらしい童が大勢見えるのは、たいそう趣がある。
意訳
若者と幼児、そして年配の受領は、ふくよかなのがよい。やせ細った人は気が短そうに見える、というのは作者の率直な人物観である。後半は、牛車に付き従う牛飼童や供の者の身なりについての注文で、主人の体面は供の者の姿で決まる、という考えが語られる。
語釈・文法注
文法
- 「心いられたらむ」
- 気がいらいらしているのだろう。「心いる」は、いらだつ、気が短い。
- 「なればみたる」
- 着なれてくたびれている。
解説
体つきと身なりについての作者の好みを述べた段である。ふくよかさを好ましいとするのは、当時の美意識をよく表している。後半は、牛飼童や従者の身なりの重要性を論じ、外出の際の体面を重んじる貴族社会の感覚を伝えている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、212–213頁(コマ109)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日