枕草子 第54段 随想的章段
主殿司こそ
下級の女官の中では主殿司ほどうらやましいものはなく、若く容貌のよい者にさせたい仕事だと述べる。また男では随身こそが大切で、立派な君達も随身がいないと見ばえがしない、と言う。

- 1とのもりとのもりとのもりこそこそこそ猶猶なおをかしきをかしきおかしきものものものはははあれあれあれ。。。下下げ女女じょのののきはきはきわはははさばかりさばかりさばかりうらやましきうらやましきうらやましきものものものはははなしなしなし。。。よきよきよき人人ひとにににせせせさせさせさせまほしきまほしきまほしきわざわざわざなりなりなり。。。若若わかくくくてててかたちかたちかたちよくよくよく、、、なりなりなりなどなどなど常常つねににによくよくよくてててあらあらあらむむんはははましてましてましてよからよからよからむむんかしかしかし。。。年年とし老老おいいいててて物物ものののの例例れいなどなどなど知知しりりりててて、、、おもなきおもなきおもなきさまさまさましししたるたるたるもももいといといとつきづきしうつきづきしうつきづきしゅうめやすしめやすしめやすし。。。とのもりとのもりとのもりづかさづかさづかさののの顏顏かおあいぎやうあいぎやうあいぎょうづきづきずきたらたらたらむむんをををもたりもたりもたりててて、、、さうぞくさうぞくそうぞく時時ときにににしたがひしたがひしたがいてててからからからぎぬぎぬぎぬなどなどなど今今いまめかしうめかしうめかしゅうてててありかありかありかせせせばばばやややとととこそこそこそ覺覺おぼゆれゆれゆれ。。。男男おとこははは又又またこそこそこそあああめれめれめれ。。。いみじくいみじくいみじくびゞしくびゞしくびびしくをかしきをかしきおかしき君君きん達達だちももも、、、ずゐじんずゐじんずいじんなきなきなきはははいといといとしらじらししらじらししらじらし。。。辨辨べんなどなどなどをかしくをかしくおかしくよきよきよきつかさつかさつかさととと思思おもひひいたれたれたれどもどもども、、、したしたしたがさねがさねがさねのののしりしりしり短短みじかくくくてててずゐじんずゐじんずいじんなきなきなきぞぞぞいといといとわろきわろきわろきややや。。。
現代語訳
主殿司こそ、やはり趣のあるものである。下級の女官の身分では、これほどうらやましいものはない。身分のよい人にさせたい仕事である。若くて容貌がよく、身なりなどもいつもきちんとしていたら、なおさらよいだろう。年をとって、物事の先例などを知っていて、物おじしない様子をしているのも、たいそう似つかわしく、感じがよい。主殿司で顔の愛らしい者を手もとに置いて、装束を季節に合わせ、唐衣なども当世風にして歩かせたいものだと思われる。男ではまた、随身こそが大切なようだ。たいそう華やかで立派な君達も、随身がいないのは、たいそう興ざめだ。弁官などは、趣のあるよい官職だと思っているけれど、下襲の裾が短くて、随身のいないのは、たいそう見劣りがすることよ。
意訳
宮中の灯火や清掃をつかさどる主殿司の女官は、下級の身分ながら、天皇や中宮の身近で立ち働くことができる。作者はその仕事を、若く美しい人にさせてみたいと言う。一方、男性貴族にとっては、随身を従えていることが威儀を整えるうえで欠かせない。身分や役職にふさわしい装いを重んじる作者の美意識がうかがえる段である。
語釈・文法注
- とのもりづかさ
- 主殿司(とのもりづかさ)。後宮十二司の一つで、灯火・燃料・清掃などをつかさどった下級の女官。
- ずゐじん
- 随身。近衛府の舎人で、上級貴族の外出の際に弓矢を持って護衛した。
文法
- 「おもなきさま」
- 「おもなし」は、面目ない、また、物おじしないさま。ここでは後者。
- 「びゞしく」
- 「びびし」は、華やかで美しい。
- 「しらじらし」
- 興ざめだ、ぱっとしない。
解説
宮中で働く下級女官、主殿司への共感を語った段である。作者は、身分は低くても宮中の中心近くで働く主殿司に、ある種のあこがれを感じている。後半の随身の話は、男性貴族の威儀を論じたもので、弁官の下襲の短さと随身のなさを惜しんでいる。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、209頁(コマ107)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日