枕草子 第34段 類聚的章段
牛は
車を引く牛は、額にごく小さく白い所があり、腹の下、足の下の方、尾の先が白いのがよいと述べる短い段。

現代語訳
牛は。
額がほんの小さく白くなっているのが、腹の下や足の下の方、尾の先が白いのがよい。
意訳
牛車を引く牛の好ましい毛並みを挙げる。黒い体に、額や足先、尾の先にだけ白がのぞく、そのわずかな白の配置に作者の目がとまっている。
語釈・文法注
文法
- 「ひたひいと小く白みたるが」
- 額がほんのわずかに白いものが。この「が」は同格で、「…で、…なのがよい」とつなぐ。
解説
牛車を引く牛の毛色を論じた短い段である。黒い牛に少しだけ白が混じる配色を好むところに、全体の中の小さなアクセントを愛でる作者の感覚がうかがえる。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、193頁(コマ99)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日