枕草子 第25段 類聚的章段
たゆまるゝもの
気がゆるんでしまうものとして、精進の日の勤行、先の長い準備、寺に長くこもっていることを挙げる短い段。

現代語訳
自然と気がゆるんでしまうもの。
精進の日の勤行。まだ日の遠い行事の準備。寺に長くこもっていること。
意訳
最初は気を張っていても、長く続いたり、まだ先のことだったりすると、つい気がゆるむ。精進の勤め、遠い先の準備、長い参籠と、誰にも覚えのある心の緩みを三つだけ挙げた、短いが鋭い観察である。
語釈・文法注
- たゆまるゝ
- 「たゆむ」(気がゆるむ、怠る)に自発の助動詞「る」が付いた形。自然と気がゆるんでしまう。
文法
- 「さうじの日」
- 精進(しょうじ)の日。肉食などを断って身を清め、仏事を行う日。
解説
三つの例だけを挙げた短い類聚的章段である。いずれも、始めは緊張していても時間がたつにつれて自然と気がゆるんでしまう場面で、人の心の動きをよくとらえている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、187頁(コマ96)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日