枕草子 第21段 類聚的章段
家は
名高い邸宅の名として、近衛御門、二条、一条、染殿の宮、菅原の院、冷泉院、朱雀院、小野宮、東三条などを挙げる段。

現代語訳
邸宅は。
近衛御門。二条、一条もよい。染殿の宮、せかい、菅原の院、冷泉院、朱雀院、とうい、小野宮、紅梅、県の井戸、東三条、小六条、小一条。
意訳
都の名高い邸宅の名を並べる。いずれも皇族や摂関家ゆかりの屋敷で、宮仕えをする作者にとって身近な、権勢と由緒を感じさせる名前ばかりである。
語釈・文法注
文法
- 「近衞御門」
- 近衛大路に面した陽明門のあたりの邸宅か。
- 「東三條」
- 藤原兼家の邸宅で、中宮定子の祖父の家。のちに道長に伝えられた。
- 「小一條」
- 藤原師尹の邸宅。宣耀殿女御芳子の父の家として後の段にも登場する。
解説
平安京の名だたる邸宅を挙げる段。冷泉院・朱雀院のような後院(上皇の御所)や、東三条殿・小野宮などの摂関家の邸宅が並ぶ。作者の仕えた定子の一族、中関白家にゆかりの深い屋敷も含まれている。
関連
出典
- 底本
- 丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、180頁(コマ93)。国立国会図書館デジタルコレクション
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部
- 更新日