古典ライブラリー

枕草子 第19段 類聚的章段

わたりは

渡し場の名として、しかすがのわたり、みつはしのわたり、こりずまのわたりを挙げる短い段。

川辺の渡し場で舟を待つ人々。水面を進む舟を眺めながら、対岸への渡しを待っている。
川辺の渡し場で舟を待つ人々。水面を進む舟を眺めながら、対岸への渡しを待っている。
  1. 1わたりわたりわたりははは題
  2. 2しかすがしかすがしかすがののの、、、みつはしみつはしみつはしのののわたりわたりわたり、、、こりずまこりずまこりずまのののわたりわたりわたり。。。

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

渡し場は。

しかすがの渡り、みつはしの渡り、こりずまの渡り。

意訳

渡し場の名を三つ挙げる。「しかすが(さすがに)」「こりずま(懲りずに)」と、ふだんの言葉と同じ響きをもつ名が選ばれているのがおもしろい。

語釈・文法注

しかすがのわたり
三河国の渡し場。「しかすがに(そうはいってもやはり)」という言葉にかけて和歌に詠まれた。

文法

「こりずまのわたり」
「懲りずま(懲りもせずに)」の響きをもつ名。須磨の浦にかけた「こりずまの浦」も歌に詠まれる。

解説

渡し場の名を挙げる短い段。いずれも名前の響きが和歌の言葉と重なることが選ばれた理由と思われる。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』日記草子部(枕草紙) 板倉屋書房、明治36年(1903)、179頁(コマ92)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日