古今和歌集 墨滅歌 墨滅歌(巻第十四 恋歌四) 1110番
わがせこが
いとしいあの方が来るはずの宵だ。蜘蛛の振る舞いで、前もってはっきりとわかる。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕衣通姫がひとりでいて、帝を恋い申し上げて詠んだ歌。
いとしいあの方が来るはずの宵だ。蜘蛛の振る舞いで、前もってはっきりとわかる。
意訳
蜘蛛が巣をかけるのは待ち人の来る前兆とされた。その兆しに、恋人の訪れを確信する。
語釈・文法注
- ささがにの
- 「蜘蛛」にかかる枕詞。
- くものふるまひ
- 蜘蛛の動き。待ち人が来る前兆とされた。
- しるしも
- はっきりしている。
和歌
- 作者
- 衣通姫(そとおりひめ) 伝承上の人物
允恭天皇の妃と伝える伝説上の女性で、美しさが衣を通して輝いたという。仮名序は小野小町を「いにしへの衣通姫の流なり」と評する。 - 出典
- 『古今和歌集』墨滅歌・墨滅歌(巻第十四 恋歌四)・1110番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「衣通姫のひとりゐて帝をこひ奉りて」(衣通姫がひとりでいて、帝を恋い申し上げて詠んだ歌)。
修辞
- 枕詞
- 「ささがにの」。
解説
衣通姫の歌。日本書紀にも見える伝承歌で、仮名序に小野小町を「衣通姫の流なり」と評する。巻第十四の「思ふてふ言の葉のみや秋をへて」の歌の下にあったもの。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、207頁(コマ117)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日