古今和歌集 墨滅歌 墨滅歌(巻第十三 恋歌三) 1108番
犬がみの
犬上の鳥籠の山にある不知哉川の「いさ」ではないが、「さあ、知りません」と答えておくれ。私の名を漏らさないで。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
犬上の鳥籠の山にある不知哉川の「いさ」ではないが、「さあ、知りません」と答えておくれ。私の名を漏らさないで。
〔左注〕この歌は、ある人によれば、天の帝(天智天皇)が近江の采女にお与えになった歌だという。
意訳
「いさや川」から「いさ」を導き、二人の仲を人に問われても知らないと答えよ、と頼む。
語釈・文法注
- 犬上・とこの山・いさや川
- 近江国の地名。
- いさ
- さあ(知らない)。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』墨滅歌・墨滅歌(巻第十三 恋歌三)・1108番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 序詞
- 上三句が「いさ」を導く。
解説
読人しらずの歌。巻第十四恋歌四の「恋しくは下にを思へ紫の」の歌の下にあったもの。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、206頁(コマ116)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日