古典ライブラリー

古今和歌集 巻第二十 大歌所御歌(東歌) 1093番

君をおきて

読人しらず(よみびとしらず)

あなたをさしおいて、浮気な心を私が持ったならば、末の松山を波も越えてしまうだろう。

詞書
「みちのくうた」(前の歌と同じ詞書)
作者
読人しらず(底本に作者名の記載はない)
  1. 1君きみ君きみきみをををおきておきておきて初句
  2. 2あだしあだしあだし心ごころ心ごころごころををを二句
  3. 3わがもたばわがもたばわがもたば三句
  4. 4すゑのすゑのすえの松山まつやま松山まつやままつやま四句
  5. 5なみもこえなむなみもこえなむなみもこえなむ結句

引用の仕方

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現代語訳

あなたをさしおいて、浮気な心を私が持ったならば、末の松山を波も越えてしまうだろう。

意訳

決して波の越えない末の松山にかけて、心変わりしないことを誓う。

語釈・文法注

あだし心
浮気な心。
すゑの松山
陸奥国の歌枕。波が越えることはありえないものとされた。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第二十・大歌所御歌(東歌)・1093番
歌体
短歌
状況
詞書「みちのくうた」(陸奥歌)。

修辞

反実仮想に近い誓い
ありえないことを条件に誓う。

解説

読人しらずの歌。百人一首42番「契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは」(清原元輔)はこの歌をふまえる。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、203頁(コマ115)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日