古典ライブラリー

古今和歌集 巻第二十 大歌所御歌(神あそびの歌) 1082番

まがねふく

読人しらず(よみびとしらず)

吉備の中山が帯にしている細い谷川の、音のさわやかなことよ。

詞書
「かへしものの歌」(前の歌と同じ詞書)
作者
読人しらず(底本に作者名の記載はない)
  1. 1まがねふくまがねふくまがねうく初句
  2. 2きびのきびのきびの中山なかやま中山なかやまなかやま二句
  3. 3おびにせるおびにせるおびにせる三句
  4. 4ほそほそほそ谷川たにがは谷川たにがはたにがわののの四句
  5. 5おとのさやけさおとのさやけさおとのさやけさ結句
  6. 6此歌このうた此歌このうたこのうたははは承和じようわ承和じようわじようわのおほんべのきびののおほんべのきびののおおんべのきびの國くに國くにくにののの歌うた歌うたうた左注

引用の仕方

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現代語訳

吉備の中山が帯にしている細い谷川の、音のさわやかなことよ。

〔左注〕この歌は、承和(仁明天皇)の大嘗会の、吉備の国の歌。

意訳

吉備の中山をめぐって流れる細い谷川を、山の帯に見立てて、その清らかな音をたたえる。

語釈・文法注

まがねふく
「吉備」にかかる枕詞。吉備は鉄の産地。
吉備の中山
備前と備中の境の山。
帯にせる
帯にしている。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第二十・大歌所御歌(神あそびの歌)・1082番
歌体
短歌
状況
詞書「かへしものの歌」(返し物の歌)。

修辞

枕詞
「まがねふく」。
擬人法
山が谷川を帯にする。

解説

読人しらずの歌。大嘗会(天皇即位後の最初の新嘗祭)で、悠紀・主基の国の風俗歌として歌われた。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、201頁(コマ114)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日