古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十八 雑歌下 972番

野とならば

読人しらず(よみびとしらず)

野となったら、私は鶉となって鳴きながら年を過ごしましょう。せめて狩りにだけでも、あなたは来てくださらないでしょうか。

作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1かへしかへしかへし詞書
  2. 2野の野ののとならばとならばとならば初句
  3. 3鶉うづら鶉うづらうずらととと鳴な鳴ななきてきてきて二句
  4. 4年とし年としとしはははへむへむへむ三句
  5. 5かりにだにやはかりにだにやはかりにだにやわ四句
  6. 6君きみ君きみきみはははこざらむこざらむこざらむ結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕返歌。

野となったら、私は鶉となって鳴きながら年を過ごしましょう。せめて狩りにだけでも、あなたは来てくださらないでしょうか。

意訳

野になれば鶉になって待とう、狩り(仮)にでも来てほしい、と健気に答える。

語釈・文法注

かり
「狩り」と「仮」。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第十八・雑歌下・972番
歌体
短歌
状況
詞書「かへし」(返歌)。

修辞

掛詞
「かり」。

解説

読人しらずの返歌。『伊勢物語』では、男はこの歌に心打たれて去るのをやめたとされる。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、176頁(コマ101)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日