古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十六 哀傷歌 861番

終に行く

在原業平(ありわらのなりひら)

最後には行く道(死出の道)だとは前から聞いていたけれど、それが昨日今日のこととは思わなかったのに。

作者
業平朝臣(在原業平)
  1. 1やまひしてやまひしてやまいして弱よわ弱よわよわくなりにけるくなりにけるくなりにける時とき時ときときよめるよめるよめる詞書
  2. 2終つひ終つひついににに行ゆ行ゆゆくくく初句
  3. 3道みち道みちみちとととはははかねてかねてかねて二句
  4. 4聞き聞きききしかどきしかどきしかど三句
  5. 5昨日きのふ昨日きのふきのうけふとけふときょうとははは四句
  6. 6思おも思おもおもはざりしをはざりしをわざりしを結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕病気をして弱くなった時に詠んだ歌。

最後には行く道(死出の道)だとは前から聞いていたけれど、それが昨日今日のこととは思わなかったのに。

意訳

人は必ず死ぬと知っていたが、それがこんなに早く来るとは思わなかった、と死を前にした心情を率直に詠む。

語釈・文法注

つひに行く道
最後に行く道、死。
かねて
前から。

和歌

作者
在原業平(ありわらのなりひら) 825–880
平城天皇の皇子阿保親王の子。右近衛権中将などを務め、「在五中将」と呼ばれた。仮名序は「その心餘りて詞たらず」と評する。『伊勢物語』の主人公「昔男」のモデルとされる。六歌仙・三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十六・哀傷歌・861番
歌体
短歌
状況
詞書「やまひして弱くなりにける時よめる」(病気をして弱くなった時に詠んだ歌)。

解説

在原業平の辞世の歌。『伊勢物語』の最終段(第百二十五段)にも見える。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、154頁(コマ90)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日