古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十六 哀傷歌 840番

神無月

凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

十月の時雨に濡れるもみじ葉は、まさに悲しむ人の涙で赤く染まった袂そのものであった。

作者
凡河内躬恒
  1. 1母はは母ははははがおもひにてよめるがおもひにてよめるがおもいにてよめる詞書
  2. 2神無月かみなづき神無月かみなづきかみなずき初句
  3. 3しぐれにぬるるしぐれにぬるるしぐれにぬるる二句
  4. 4もみぢもみぢもみじ葉ば葉ばばははは三句
  5. 5ただわびびとのただわびびとのただわびびとの四句
  6. 6袂たもと袂たもとたもとなりけりなりけりなりけり結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕母の喪に服していた時に詠んだ歌。

十月の時雨に濡れるもみじ葉は、まさに悲しむ人の涙で赤く染まった袂そのものであった。

意訳

母を亡くした悲しみの涙を、時雨に濡れる紅葉に重ねる。

語釈・文法注

おもひ
喪。
わび人
悲しむ人。

和歌

作者
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十六・哀傷歌・840番
歌体
短歌
状況
詞書「母がおもひにてよめる」(母の喪に服していた時に詠んだ歌)。

修辞

見立て
紅葉を涙で染まった袂に見立てる。

解説

凡河内躬恒の歌。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、148頁(コマ87)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日