古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十五 恋歌五 825番

忘らるる

読人しらず(よみびとしらず)

忘れられる我が身をつらいと思う、宇治橋の中が絶えたように、仲が絶えて、人も通わない年月が過ぎてしまった。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
讀人しらず(読人しらず)
  1. 1忘わす忘わすわすらるるらるるらるる初句
  2. 2身み身みみをををうぢうぢうじ橋ばし橋ばしばしののの二句
  3. 3中なか中なかなかたえてたえてたえて三句
  4. 4人ひと人ひとひともかよはぬもかよはぬもかよわぬ四句
  5. 5としぞへにけるとしぞへにけるとしぞえにける結句
  6. 6又また又またまたはははこなたかなたにこなたかなたにこなたかなたに人ひと人ひとひとももも通かよ通かよかよはははずずず左注

引用の仕方

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現代語訳

忘れられる我が身をつらいと思う、宇治橋の中が絶えたように、仲が絶えて、人も通わない年月が過ぎてしまった。

〔左注〕また(別の伝えでは)「こなたかなたに人も通はず」とある。

意訳

「憂し」と「宇治」をかけ、途絶えた宇治橋のように、恋人の通いが絶えた年月を嘆く。

語釈・文法注

うぢ橋
「憂し」をかける。
中たえて
橋の中ほどが途切れて、仲が絶えて。

和歌

作者
読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。
出典
『古今和歌集』巻第十五・恋歌五・825番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

掛詞
「うぢ」「なか」。

解説

左注は第四句を「こなたかなたに」とする異伝を記す。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、145頁(コマ86)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日