古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十五 恋歌五 756番

逢ひにあひて

伊勢(いせ)

物思いをするこのごろにぴったりと合って、私の袖に宿る月までも、濡れた顔をしている。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
伊勢
  1. 1逢あ逢ああひにあひてひにあひていにあいて初句
  2. 2物思ものおも物思ものおもものおもふふう頃ころ頃ころころののの二句
  3. 3我わ我わわががが袖そで袖そでそでににに三句
  4. 4宿やど宿やどやどるるる月つき月つきつきさへさへさえ四句
  5. 5ぬるるがぬるるがぬるるがほなるほなるおなる結句

引用の仕方

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現代語訳

物思いをするこのごろにぴったりと合って、私の袖に宿る月までも、濡れた顔をしている。

意訳

涙に濡れた袖に映る月までも、泣いているような顔に見える。

語釈・文法注

あひにあひて
ぴったり合って。
ぬるるがほ
濡れた顔。

和歌

作者
伊勢(いせ) 872?–938?
伊勢守藤原継蔭の娘。宇多天皇の中宮温子に仕え、宇多天皇の皇子を産んだ。のち敦慶親王との間に娘の中務(歌人)を産んだ。『古今和歌集』に女性歌人として最も多い歌が入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十五・恋歌五・756番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

解説

伊勢の歌。

関連

出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、135頁(コマ81)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日