古典ライブラリー

古今和歌集 巻第十五 恋歌五 749番

よそにのみ

藤原兼輔(ふじわらのかねすけ)

遠くからただ噂に聞いていればよかったのに。音羽川を渡るでもなく、どうして見慣れはじめたのだろう。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
藤原兼輔朝臣(藤原兼輔)
  1. 1よそにのみよそにのみよそにのみ初句
  2. 2聞き聞ききかましかましかまし物もの物ものものををを二句
  3. 3音羽おとは音羽おとはおとわ川がは川がはがわ三句
  4. 4渡わた渡わたわたるとなしにるとなしにるとなしに四句
  5. 5みなれそめけむみなれそめけむみなれそめけむ結句

引用の仕方

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現代語訳

遠くからただ噂に聞いていればよかったのに。音羽川を渡るでもなく、どうして見慣れはじめたのだろう。

意訳

噂だけで済ませておけばよかったのに、なまじ親しくなったために苦しい、と悔やむ。

語釈・文法注

音羽川
「音(噂)」をかける。
みなれ
「見慣れ」と「水馴れ」。

和歌

作者
藤原兼輔(ふじわらのかねすけ) 877–933
藤原利基の子。中納言に至り、賀茂川の堤に邸があったので「堤中納言」と呼ばれた。紀貫之・凡河内躬恒らの後援者で、紫式部の曽祖父にあたる。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第十五・恋歌五・749番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

掛詞
「おと」「みなれ」。

解説

藤原兼輔の歌。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、134頁(コマ80)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日