古今和歌集 巻第十三 恋歌三 669番
大方は
いっそ、私の評判も港から漕ぎ出すように知れ渡ってしまおう。この世は憂いばかりで、海辺でさえ海松布(逢う機会)が少ないのだから。

現代語訳
いっそ、私の評判も港から漕ぎ出すように知れ渡ってしまおう。この世は憂いばかりで、海辺でさえ海松布(逢う機会)が少ないのだから。
意訳
隠していても逢えないのだから、いっそ評判が立ってもかまわない、と開き直る。
語釈・文法注
- みなと
- 「港」と「皆と」。
- うみ
- 「海」と「憂み」。
- みるめ
- 「見る目」と「海松布」。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第十三・恋歌三・669番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 掛詞
- 「みなと」「うみ」「みるめ」。
解説
読人しらずの歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、119頁(コマ73)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日